衝門南大阪鍼灸所
足の太陰脾経:衝門(しょうもん)
基本情報
所属経絡 | 足の太陰脾経 |
取穴部位 | 曲骨穴の外3寸5分、鼡径溝中の動脈拍動部に取る
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筋肉 | 腸腰筋、恥骨筋 |
運動神経 | 大腿神経、腰神経叢筋枝 |
知覚神経 | 腸骨下腹神経前皮枝、陰部大腿神経、腸骨鼡径神経 |
血管 | 大腿動脈 |
解説
衝門穴は下腹部にある股関節のシワ(鼡径溝)のところにある経穴です。
おへその下の方で、恥骨結合の上際にある曲骨穴から横に移動し鼡径溝にあたるところが衝門穴となります。ここは触ると動脈の拍動を感じられます。
曲骨穴の外3寸5分に衝門穴が位置しますが、曲骨穴の高さのラインには任脈・腎経・胃経・脾経の順に曲骨・横骨・気衝・衝門と並んでいます。
「衝」は突進、衝撃、「門」は経気が流注する門戸を指しています。衝門穴はいくつかの経絡の経気が流注する要衝であるため、この名がつけられたといわれています。
別名として「慈宮」や「上慈宮」と呼ばれることもあります。
「しょうもん」という呼び名の経穴は「衝門」の他にも、肝経の「章門」という経穴があります。間違えないようにしましょう。
甲乙経にあるように衝門穴は太陰脾経と厥陰肝経、さらに陽維脈との交会穴といわれています。
下腹部の冷えや尿閉などの治療に用いられます。さらに中脘・気海・三陰交と組み合わせて子宮脱を、太敦・三陰交と組み合わせて下腹部痛の治療を行ないます。
さらに衝門穴の深部に動脈が通っていることより、間欠性跛行の起こる閉塞性動脈硬化症や脊柱管狭窄症の治療にも使用されます。
効能
- 腹水
- 股神経痛
- 陰嚢ヘルニア
- 閉塞性動脈硬化症
- 脊柱管狭窄症
- 下腹部痛
- 下腹部の冷え
- 尿閉
- 子宮脱
- 睾丸炎