心身症南大阪鍼灸所

 category : 精神疾患 

心身症とは

過剰なストレスは、身体にも心にも影響を及ぼします。ストレスの影響が体に現れて、病気が発症したり、症状の悪化や治りにくさを招いている状態を「心身症」と呼びます。

ストレスがあふれている現代社会では、心身症は「誰もがかかりえる病気」です。

心身症が起こる仕組み

私たちの体には、健康を守るためのさまざまな仕組みが備わっています。例えば、「自律神経」や「ホルモン」は身体の状態を一定に保ったり、さまざまな臓器の調節をしたりします。また、「免疫機能」は病原体など外から侵入していくる異物から体を守っています。これら3つの機能は連携して働いており、互いに影響しあっています。

適度なストレスは、その刺激に応じて自律神経が働き、心身症は起こりにくいといえます。しかし、強いストレスを受け続けると、自律神経の働きが乱れて、その乱れがホルモン系や免疫系の働きにも影響を与えて、心身症を引き起こします。

心身症として起こる可能性がある病気は数多く、どんな病気が起こるかは人によって異なります。

心身症の可能性が考えられる病気の例

頭痛めまいなど

自律神経系の働きが乱れ、筋肉が緊張することなどによって頭痛が起こることがあります。めまいの中にも、ストレスが大きく影響しているものがあるといわれています。

●胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群

自律神経系の働きが乱れ、粘膜の血流が低下して、潰瘍ができやすくなったり、腸の働きが乱れて下痢便秘を繰り返す過敏性腸症候群になることがあります。

糖尿病

すい臓から分泌されるホルモンである「インスリン」の働きが悪くなり、血糖値が高くなることがあります。

狭心症心筋梗塞

自律神経系の働きが乱れ、血管が収縮して、起こりやすくなることがあります。

喘息アトピー性皮膚炎

詳しい仕組みはわかっていませんが、ストレスによって症状が悪化することがあります。

心身症が起こりやすい人

多くの人は、働きすぎなど、ある程度のストレスを受け続けると、「もういやだ」「きつい」などと感じます。このように、休養をとるサインを認識できれば、過剰に受けるストレスに歯止めがかけられます。しかし、なかには心と体からのサインを感じにくく、気づかないうちに働きすぎに陥ってしまう人もいます。このような人は「失感情症」である可能性が考えられます。

失感情症の人は、自分の感情や気持ちを自覚したり、うまく表現することができません。その結果、ストレスをため込み、心身症を招きがちです。そしてこのような人には、「真面目」「責任感が強い」などの性格の人が多いといわれています。

このような人は、自分がストレスをためやすいことを認識しましょう。そして、どの程度のストレスがかかると、身体にどんな反応が出るかを把握しておきましょう。そうすることで、身体の反応からストレスに歯止めをかけることが可能になります。

治療法

●内科的治療

体に起こっている病気や症状そのものの治療を行う。

●カウンセリング

生活や仕事、人間関係などについて医師と話し合いながら、対処法を見出していく。

●リラクゼーション・トレーニング

自律訓練法や筋弛緩法などのリラックス法によって、心身がリラックスできる方法を身につける。

●薬物療法

症状に応じて向精神薬を処方する。

心身症になる人は、心に病気の原因があることをなかなか認めたがりませんが、心身症の治療の第一歩は患者さん自身が自分の心身症を自覚することから始まり、その自覚がないと治療の効果は上がりません。

どんな原因でストレスがかかり、病気を発症したのかを正しく知り、そのストレスに耐えられる生活行動を作り上げていくことが大切です。

鍼灸治療の効果

「気」という言葉をご存知でしょうか?

私たちの体の中に流れる生命エネルギーのことを「気」といいます。東洋医学では、気の流れが滞ると病気になると考えられています。気は経絡と呼ばれる循環路を通って全身を流れています。心身症はストレスにより気の流れが滞り、全身に症状を及ぼします。

また、東洋医学は昔から心身一如(心と体は表裏一体、一つのものである)の考えを持つ医学です。心に受けたストレスや傷は身体を通してこりや痛み、病気となって表現されるのです。

鍼灸治療では、滞った気の流れを改善すると同時に、身体のこりや痛みなどの些細な症状を丁寧に取り除いていくことで心身症を治していきます。

ツボ療法で元気になろう!

膻中(だんちゅう)

場所…左右の乳頭を結ぶ線と正中線が交わるところ

効能…ストレス性疾患や心臓疾患に。

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