狭心症南大阪鍼灸所

 category : 循環器 

狭心症とは

狭心症心筋梗塞は再発しやすい病気です。狭心症をほうっておくと動脈硬化が進行し、心筋梗塞につながることもあります。

現在、動脈硬化の患者数は1300万人とも言われています。そのうち86万人を超える方が狭心症や心筋梗塞といった「虚血性心疾患」患者と言われています。

鍼灸治療にも多くの動脈硬化の持病を持たれている患者さんが来院されています。また過去に狭心症の発作が起きた方も多数おられます。

鍼灸治療は、薬物治療と併用することにより、動脈硬化をコントロールしやすくし狭心症を防ぐ効果があります。

狭心症とは冠動脈の狭窄によって起こる

心臓には、心臓の筋肉(心筋)に血流を送り込み、酸素や栄養を供給している「冠動脈」という血管があります。

「狭心症」はこの冠動脈の一部が狭くなり(狭窄)血液の流れが悪くなることによって心筋の酸素不足、栄養不足の状態(心筋虚血)になる病気です。狭心症は心筋虚血が一時的に起こり胸痛発作などの症状が起こります。

一方冠動脈が閉塞して血流が完全に途絶え、心筋が壊死するものは「心筋梗塞」と呼ばれています。

狭心症や心筋梗塞の患者さんの数は心臓疾患の約半数を占めています。

主な原因は動脈硬化

冠動脈の動脈硬化が進むと、冠動脈の内膜にコレステロールなどが沈着して、盛り上がった塊(アテローム=粥腫)ができ血管の内腔が狭くなります。内膜の肥厚が進行して内腔が1/4まで狭められると狭心症の発作が起こるといわれています。

粥腫の被膜が破裂して、粥腫の塊が血管の内腔に放出されると血液凝固作用をもつ血小板がその部分に集まって「血栓(血液の塊)」をつくります。

血栓ができると内腔はさらに狭くなります。血栓が血管を完全にふさぐと血流が途絶え、心筋梗塞を起こします。

また、動脈硬化がそれほど進んでいなくても冠動脈が何らかの原因でけいれんを起こし、一時的に血管の内腔が狭くなるために狭心症の発作が起こることもあります。

狭心症の発作ががあったあとそのまま放置していると心筋梗塞に移行する恐れがあり、心筋梗塞の患者さん50%が以前狭心症の発作を体験しています。心筋梗塞は心筋が壊死するので深刻な状態を招く恐れがある病気です。ですから狭心症の発作が起こったらすぐにきちんとした診断を受け治療する必要があります。

狭心症の胸痛とは

狭心症の代表的な症状は「胸痛」で次のような特徴があります。

★胸の中央部が広く痛む

主に胸も中央部の広い範囲に痛みが発生します。「胸が締め付けられる」「胸骨の内側が圧迫される」といった痛みを訴える患者さんが多くなっています。

胸以外に「肩や腕、背中、みぞおち、上腹部、あご、歯」など痛むこともあります(放散痛)。痛む場所や痛みの程度には個人差があります。また、糖尿病の患者さんでは知覚神経が痛んでいたり、高齢者の場合は痛みを感じにくくなっていることがありますので、病気を見逃さないよう注意が必要です。

★運動中や就寝中に起こる2つのタイプ

狭心症の発作の起こり方によって次のような種類に分けられます。

▽労作狭心症

運動をしたり、坂道や階段を上るなど体を動かしているときに起こります。安静にしているときには心筋はあまり酸素や栄養を必要としないので冠動脈が狭くなっていても血流が足りています。ところが、体を動かすと心臓の仕事が増えるので心筋が必要とする血液量が増加するために血液不足が起こるのです。

▽安静狭心症

何らかの原因で血管にけいれんが起こり、内腔が狭くなるために発作が起こるタイプのものです。動脈硬化があまり進んでいない場合でも起こります。夜寝ているとき(安静にしているとき)に起こることが多く、特に明け方に多いという特徴があります。

どちらのタイプの狭心症の発作も持続時間は一般に数分~10分間くらいです。長くても15分ほどで自然に治まります。一方心筋梗塞では痛みが20分以上持続します。

安定狭心症と不安定狭心症

狭心症は症状や冠動脈の状態から「安定狭心症」と「不安定狭心症」に分けられます。

★安定狭心症

一定量運動をすると発作が起こるものです。発作の頻度、強度、持続時間がほぼ一定であり、症状が安定していれば簡単に心筋梗塞に移行することはありません。

★不安定狭心症

心筋梗塞に移行したり、突然死を起こしやすい危険な状態といえます。「狭心症の発作が初めて起こってから2週間以内」「安静時狭心症で発作が20分以上続く」「狭心症発作を起こすたびに症状が重くなっている」などの場合は不安定狭心症が疑われます。

不安定狭心症は冠動脈の血管壁の粥腫が破裂しやすく血栓のできやすい不安定な状態です。不安定狭心症は心筋梗塞の前の段階というより心筋梗塞に近い危険な状態と考えられています。

診断

心臓病の診断では「問診」が大変大切です。専門医は患者さんの胸痛について「どのようなときに、どんな痛みがあったのか」「体のどの部分に痛みがあったのか」「痛みがどのぐらい続いたのか」を聞けば、胸痛が心臓疾患に関係しているかどうかおおよそ見当がつきます。

胸痛が起きて診断を受けるときにはこの3つをできるだけ詳しく正確に伝えることが大切です。

診断を確定させるためには「心電図検査」「胸部エックス線検査」「超音波検査」などのほか運動中の心電図をとる「運動負荷試験」や携帯型の心電計で24時間の心電図をとる「ホルタ―心電図検査」などが行なわれます。

さらに「心筋シンチグラフィー」や「冠動脈造影検査」で血流や血管の状態を詳しく調べることもあります。

治療

狭心症の治療には「生活習慣の改善、薬物療法、経カテーテル冠動脈形成術、冠動脈バイパス術」などがあります。

どの療法を選択するかは患者さんの状態によりますが、一般には「生活習慣の改善と薬物療法」が治療の基本となります。この両方で十分な効果が得られないときには「経カテーテル冠動脈形成術」により血管の狭窄部を広げます。これはいわば内科と外科の中間的治療で患者さんの負担が少ない療法です。

これによっても効果が得られない場合や血管の狭窄部が多い場合は外科的治療「冠動脈バイパス術」が行なわれます。

なお不安定狭心症の場合はできるだけ早く入院し、経過を観察しながら心筋梗塞への移行を防ぐようにします。

▽生活習慣の改善

狭心症の原因となる動脈硬化の進行を防ぐために「禁煙する、ストレスを軽減する、食生活に気を付ける、適度な運動をする」などの日常生活を見直します。

▽薬物療法

胸痛発作を鎮めたり、予防する薬が使われます。発作を鎮める薬としては、血管を拡張させる「硝酸薬(ニトログリセリンが代表的)」が用いられます。また心筋の仕事量を減らす「β遮断薬(ブロッカー)」血管の収縮を防ぐ「カルシウム拮抗薬」などが用いられます。また血栓ができるのを防ぐ薬(抗血小板薬)や粥腫を安定させる薬(高脂血症薬)も使用します。

▽経カテーテル冠動脈形成術

脚の付け根の動脈から先端に小さな風船(バルーン)の付いた細いカテーテル(管)を冠動脈まで送り込み、風船を膨らませて細い部分を拡張するバルーン療法を行います。また、バルーンで狭窄部分を広げた後に「ステント(薄い金属の網状の筒)」を血管内に留置させることによって内側から血管を補強するステント留置術も行います。

▽冠動脈バイパス術

下肢の静脈や内胸動脈などを使って大動脈と冠動脈の狭窄部分を迂回するバイパスをつくります。一般に程度が重く経カテーテル冠動脈形成術が無理である場合に行われます。

狭心症の鍼灸治療

狭心症や、心筋梗塞を引き起こす動脈硬化の進行には生活習慣が大きく関係しています。「食生活の乱れ」や「運動不足」はもちろん「肥満」「喫煙」「ストレス」などが大きな要因となります。これらを一つでも改善してリスクをへらすことが治療の基本です。

「糖尿病」「高血圧」「脂質異常症」といった生活習慣病は狭心症や心筋梗塞の重要な危険因子です。これらの病気があると狭心症や心筋梗塞の発症するリスクが高まることが分かっているためきちんと治療を受け管理することが大切です。

鍼灸治療ではこれらのリスクを軽減するために治療することはもちろんのこと、心臓の負担を軽減し発作を防ぐ目的で膻中、照海、神蔵、心兪を用います。血行を良くし血栓ができるのを防ぐ目的で合谷足三里などを、また胸痛に対しては郄門、少沢といった経穴を使用します。

上記のような経穴を用いて鍼灸治療を行い、生活習慣の改善や薬物療法と併用することで動脈硬化の進行を抑制していきます。

そして、狭心症や、心筋梗塞の再発の予防のため血液検査が正常値でも半年に一回は「心電図検査」などを受け、心臓の状態をチェックするようにしてください。

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