へバーデン結節・ブシャール結節・母指CM関節症南大阪鍼灸所

 category : 頚肩腕 

指の関節が痛い!!変形性関節症

手指のトラブルを招く代表的な病気は「へバーデン結節」「ブシャール結節」「母指CM関節症」「ばね指」「ドッケルバン病」「手根管症候群」の6つがあります。

これらはいずれも女性に多い病気です。その理由として、女性は男性に比べて関節や靭帯が柔らかいため手指の関節に負担がかかりやすいことや、女性ホルモンの影響があると考えられています。手指は日常生活のなかでよく使う部位の一つなので、これらの病気によって痛みなどの症状があると日常生活に支障がきたすことがあります。手指の病気は進行することが多いので、症状が軽いうちに受診して対処することが大切です。

南大阪鍼灸所にも指関節の変形性関節症による指の痛みを訴えられて来院される方が多くおられます。

変形性関節症とは

「変形性関節症」と聞けば膝などに起こることが良く知られていますが、手指の関節にも発症します。手指の変形性関節症では、指関節の骨を覆う軟骨がすり減って指に痛みや変形が現れます。

手指の変形性関節症のうち、指先から数えて1番目の関節(第一関節)に軟骨のすり減りが生じるものを「ヘバーデン結節」といいます。2番目の関節(第二関節)に起こるものを「ブシャール結節」といい、また親指の付け根、指先から数えて3番目の関節(CM関節)に起こるものを「母指CM関節症」といいます。

ヘバーデン結節・ブシャール結節の症状

ヘバーデン結節あるいはブシャール結節の初期には、物をつかんだりパソコンのキーボードを操作するときに、軟骨のすり減りが生じた関節に痛みが現れます。放っておくと、指を使う動作をするときに痛むことが多くなり、さらに進行すると指を動かさないときでも痛みが現れるようになります。

手指の関節に見た目の変化も現れます。軟骨のすり減りが進むと指関節の骨同士が直接ぶつかって、関節の周囲に「骨棘」という骨のトゲのようなものができ、関節が太く見えるようになっていきます。また、関節が不安定になったり、指をまっすぐに伸ばせなくなる場合もあります。患者さんによっては変形した関節の上の皮膚に「粘液嚢腫」という水ぶくれのようなものができることのあります。

ヘバーデン結節・ブシャール結節の特徴と原因

ヘバーデン結節とブシャール結節は、左右対称に起こりやくいのが特徴です。また、どの指にも起こる可能性があり、すべての指に発症する場合もあります。ヘバーデン結節とブシャール結節はそれぞれ単独で起こることもありますが、両者が合併して起こる場合もあります。

ブシャール結節は「関節リウマチ」と間違われることも少なくありません。しかし、ブシャール結節の関節の膨らみは触ると硬いのに対して、関節リウマチの関節の膨らみは柔らかいという違いがあります。

これらが起こる原因はまだはっきりわかっていません。遺伝的な体質や関節を支えている靭帯の緩みが関係していると考えられています。

ヘバーデン結節とブシャール結節の対処法

ヘバーデン結節とブシャール結節の診断には「エックス線検査」を行ないます。また関節リウマチとの鑑別をするために、血液検査などが行なわれることもあります。

ヘバーデン結節の対処法は患部の安静と固定が基本です。テーピングで第一関節の動きを制限し、痛みの軽減を図ります。ブシャール結節の対処法は反対に動かすことも大切です。入浴中などに、手を握ったり開いたりする動きを無理のない程度の強さで行います。

ヘバーデン結節とブシャール結節の対処法が異なるのは、関節の働きに違いがあるためです。第一関節は動きを制限することで関節が固まってもあまり不便は生じませんが、第二関節は固まってしまうと非常に不便になります。そのため動かすことも重要なのです。

どちらの場合でも冬場などは手袋をはめて手指を温め、血行を良くすることが大切です。痛みが強いときには「非ステロイド性消炎鎮痛薬」の塗り薬や貼り薬、飲み薬で対処することもあります。

母指CM関節症の症状

母指CM関節症は40歳代以降の女性に多い病気です。親指の指先から数えて3番目の関節に痛みが現れ、タオルを絞る、洗濯ばさみとつまむ、ドアノブを回したりするときに痛くなります。

CM関節症は、ほかの手関節よりも平坦な構造をしているために、軟骨がすり減ると骨が外側にずれ、関節が外れかかった状態(亜脱臼)を招きやすくなります。こうなると、親指や人さし指の間隔が狭くなってしまうので、絞る、つまむ、回すなどの動作が困難になります。

母指CM関節症が40歳代以降の女性に多いのは、女性はもともと関節を支える靭帯が柔らかく、さらに加齢によって靭帯が徐々に緩み、そこに軟骨のすり減りが生じることによって関節がずれやすくなるためだと考えられています。母指CM関節症も、診断にはエックス線検査を行います。

母指CM関節症の対処法

母指CM関節症の場合は「対立装具」を使ってCM関節の動きを制限し、親指を少し広げた状態に保ちます。そして、原則として1日24時間、起きているときも寝ているときも固定したままにしておきます。対立装具は医療機関で処方されます。

こうした対処法を継続することで次第に関節が安定し、痛みが治まっていきます。2~3ヶ月固定すると痛みが治まってくることが多いです。しかし、装具で固定しても年単位で痛みが続く場合は手術が検討されることがあります。手術は、関節の両側の骨を少し削って隙間をつくり、そこに手首の腱の一部を移植して関節を再建するなど、いくつかの方法があります。

手指の変形性関節症の鍼灸治療

南大阪鍼灸所では、へバーデン結節、ブシャール結節、母指CM関節症などの手指の変形性関節症を単に局所の疾患とは捉えていません。

へバーデン結節、ブシャール結節、母指CM関節症の好発年齢は、40歳代以降しかも女性に多くみられる病気です。40歳代は更年期による体調の変化が現れやすい時期です。この時期の更年期による全身のバランスを崩した結果手指の変形が起こってくると考えています。

鍼灸治療も局所の変形をしている指の関節だけではなく、全身調整の治療もおこないます。

へバーデン結節とブシャール結節の症例

42歳の保育士のNさん(女性)は4月に転勤となり、バイク通勤時間が以前の20分から1時間30分と長くなりそれから徐々に両手の第一関節と第二関節が痛くなったそうです。

Nさんは、朝方に手のこわばりがあることから近くの整形クリニック及び府立病院を受診したました。どちらの医師からもリウマチではなくヘバーデン結節とブシャール結節の合併症といわれたそうです。しばらく整形に通院するもあまり効果が無いため8月初めに南大阪鍼灸所に来院されました。

問診にて今までの症状の経過や状態を聞きました。また、脈診、腹診を行ないNさんの現在の身体の状態を把握しました。そして全身調整として中脘、関元、曲池、肩井、百会、三陰交心兪脾兪腎兪、合陽に10分置鍼を行ないました。また局所治療として、疼痛、圧痛のある関節、部位全てに八分灸3壮すえました。

施灸後は動きがだいぶましになりましたが、もう少し動きに違和感があるとのことでした。

そこで耳神門を押圧しながらNさんに手を動かしてもらうと、先程よりスムーズに動きました。耳神門に皮内鍼を入れると動きはましだが、押圧の方がよく効いている感じでした。皮内鍼の角度を変えて入れ直すと、ものすごく楽に動かせるとNさん。

その後、8月16日、8月31日と1週おきに来院され、症状がないとのことで、略治としました。

手指の変形性関節症は痛みが治療の指標です。そのため、痛みが強いときには前述のような対処が必要ですが、痛みの強くない場合は、関節に変形があっても、積極的に手指を動かしても構いません。

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