鍼灸治療の奏効した嘔吐・胃部不快感の患者で胃癌が見つかった例南大阪鍼灸所

 category : 消化器 

嘔吐・胃部に不快感がある50歳代の女性の症例報告

元看護師の50歳代女性、一年前まで、肩こり・疲労で鍼灸の治療を数年間、週に2~3回続けていました。その後、調子がよくなり1年ほど治療をしていませんでした。

今回、再び調子をくずし来院されました。主訴は、2~3日前に吐いてしまい、胃部の不快感があるというものでした。本人は、「ストレスや疲れが原因だと思う」と言っておられました。

治療

後頚部から肩へこりがひどかったので、そのところへ散鍼を行いました。また、胃部の不快感があるのでお腹にあるツボの中脘・天枢・外稜・関元と脚にあるツボの足三里に鍼をしました。

この治療で楽になり、吐気も止まり、胃の調子もよくなりました。その週は3回ほど治療をしましたが、調子はよい状態でした。

しかし、その後内科で胃カメラの検査を受けて胃癌が発見されました。そして、胃癌の手術を勧められたそうです。だいぶ落ち込まれていました。

所長コメント

この症例のよかったところは、胃癌が発見されたということでしょう。手術をするようなものですから、おそらくは早期のものではないかと思います。

癌などは早期や初期の段階では自覚症状がないといわれることもありますが、実際に調査してみると、「何か調子が悪くて医療機関を受診して検査を受けたら、癌が発見された」ということも少なくないようです。ですから、些細な症状であっても、長いあいだ健康診断などを受けていない患者さんがいらっしゃったら、一度検査を受けてみることをおすすめするのも重要に思います。

いろいろと器質的な疾患や変化があっても鍼灸治療はけっこう効いてしまうこともあります。(因果関係は不明瞭ですが、今回の消化器症状もそうだったかも知れません)鍼灸治療が効いたからといって、その事から重要な疾患を除外してしまうと危険な事もあります。

最悪の経過を想像してしまいますと、治療で消化器症状がとれたからといってしばらく治療を続け、その間に病状が進行し、「最近、どうも治療効果が悪いなあ。お医者さんに見てもらった方がいいかも知れない」ということで検査してもらったところ、手術できないほどに癌が進行してしてしまったというようなところでしょうか。そうならないためにも鍼灸治療が効いても重要な疾患に注意が必要です。

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