指が動かしにくい場合南大阪鍼灸所
「指が動かしづらい!」
近年、パソコンを日常的に使う人が増えています。それに伴って手や手首に痛みを訴える人も大変増えています。痛みをそのまま放置しておくと、症状が徐々に悪化して指が動かしにくくなったり、物を掴みにくくなったりします。この様な症状が出てきたら要注意です!
「腱鞘炎」の可能性があります。
「腱鞘炎とは?」
指や手首には、「腱」という「ひも」の様なものがあります。この腱が腕の筋肉に引っ張られて、指の曲げ伸ばしが行われます。この時指を曲げた際に腱が骨から浮き上がるのを防ぐために、腱を通す「さや」があり、このさやのことを、「腱鞘」といいます。
このように、腱と腱鞘は「ベルトとベルト通し」のような関係にあり、手を使い過ぎることによって、腱と腱鞘がこすれて腱鞘に炎症が起こります。これを「腱鞘炎」といいます。
腱鞘炎の中で、代表的な病名に、指に起こる「バネ指」と手首に起こる「ドケルバン病」があげられます。
・バネ指―腱と腱鞘が擦れて炎症が起こると、腱や腱鞘に痛みが起こります。腫れによって腱が腱鞘の中をうまく通れなくなり、自由に曲げ伸ばしできなくなってしまいます。
・ドケルバン病―手首の下側の腱鞘には、親指を広げたり伸ばしたりする2種類の腱が通っています。ここの腱と腱鞘が擦れて炎症が起こると、痛みや腫れがおこります
腱鞘炎は特に女性に多い病気です。特に妊娠、出産期や更年期にホルモンバランスが乱れて、手がむくみやすくなることが原因だと考えられています。
「治療法」
●まずは指や手首を安静に!
軽症な場合は、まずは安静にして炎症が治まるのを待ちます。また、長時間手を下げたままにしないようにし、手の血行を良くすることが大切です。
●テーピグング
安静を保つ方法に、自分で患部を固定する
テ―ピングがあります。指は第2関節に3~4周、手首は1~2周軽く巻いてください。テーピングは強く巻きすぎると血行が悪くなってしまいます。
●運動でセルフケア
手先の血行を良くするのが、手を10秒間心臓より高く挙げる運動です。これを1日50回程度行います。手を挙げることで、血液が心臓に戻され、新鮮な血液が送られてくるので、手のむくみが改善されます。
・運動法―手を心臓よりも高く上げて、10秒間そのままにします。肩や肘の痛い人は頭よりも少し高く上げる程度でも構いません。
●症状が改善されない場合
炎症を抑えるシップや塗り薬を使います。
それでも改善しない場合は、副腎皮質ホルモンの注射薬を腱鞘に注射します。これで、約4割の人は症状が治まり、約7割の人は症状の再発を半年以上抑える事が出来ると言われています。
しかし、手をよく使う人の場合は、注射をしても再発を繰り返すことがあります。本人が希望する場合や、注射をしても改善しない場合は、炎症が起こっている腱鞘を切って、腱の通り道を広げる手術を行います。手術時間は10分程度で、再発は無くなります。また、手術後も日常生活に支障をきたすことはありません。
「予防のためには」
●手をよく使う作業は休憩しながら行う!
腱鞘炎を予防するには長時間続けて作業を行わないことが大事です。例えば、50分程作業をしたら、10分くらいは手を休ませるようにして、手をいたわりましょう。
「東洋医学的診方」
腱鞘炎の場合、手の使いすぎによって、指や手首を動かす時に使われる、腱や筋組織が疲労することにより炎症を引き起こします。このことによって、筋肉そのものをつかさどっている「肝」に変調が起こり、全身の気血の変動が起きたと考えられます。
また、その「肝」に栄養を送り滋養しているのは「脾」です。「脾」は津液(体内の正常な水分)を全身に輸送して潤し、関節や筋肉がスムーズに活動出来るように、潤滑剤としての働きもあります。
「ツボ療法で元気になろう!」
●陽陵泉(ようりょうせん)
場所…腓骨頭のやや前よりに取る。
効能…筋肉の病気に。
●曲池(きょくち)
場所…肘を曲げて出来るシワの端に取る。
効能…手の痛み。頭痛に。