膝の痛みの対処法南大阪鍼灸所
これでなっとく、ひざの痛み!
膝は私たちの体重を支える大切な役目をしています。しかし、立つ・歩くなどの何気ない曲げ伸ばす動作は膝に大きな負担を加えています。膝はふだんから大きな負担がかかっているだけに、故障しやすい部位です。
膝の痛みの原因
膝に痛みが生じる原因には「慢性関節リウマチ」や「痛風」などの病気によるもの、ケガ(外傷)によるもの、老化にともなう「変形性膝関節症」などがあります。
中高年の、膝の痛みのほとんどは「変形性膝関節症」です。ある日突然痛むというものではなく、「朝起きた時に膝が固い、歩き始めに痛い」というところから始まり、徐々に痛みが増してきます。今回は最も多い「変形性膝関節症」をとりあげます。
変形性膝関節症とは
膝は太もものの骨とすねの骨とのつなぎ目です。この骨同士は直接つながっているわけではなく、骨同士がぶつからないように、骨の両端に軟骨があります。この軟骨がクッションの役割をして、衝撃を吸収しています。
長年立ったり座ったりを繰り返し、膝に負担をかけると誰でも年齢とともに骨と骨の間にある軟骨はすり減ってきます。若い人の軟骨は弾力があり滑らかでスベスベしています。しかし軟骨は老化にともない水分が減り弾力性がなくなりザラザラとしきます。そこに負担がかかるので骨と骨がぶつかってすり減っていくのです。
軟骨には神経はありませんので、すり減るだけでは痛みはおこりません。すり減った軟骨のカケラが膝関節を包んでいる「関節包」と呼ばれる袋を刺激するためにおこります。
しかし軟骨は一度すり減ってしまうと元に戻らないのです。
普段の生活を見直すことから
① 肥満の人はやせましょう
歩く時は体の約3倍、階段の上り下りには4~5倍もの重さが膝にかかります。例えば体重が50キロのひとは150キロもの重さが歩く時に膝にかかっているわけです。
② 冷やさない
冷やすと痛みが増します。炎症がおきている急性期が過ぎたら冷やさないように。
③ 美しく歩きましょう
膝が痛むからといって膝を曲げて歩くと膝への負担が大きくなります。歩く時は膝をしっかり伸ばしてかかとから着地し、つま先で後ろに蹴り出すように歩きましょう。もちろん姿勢に気をつけて。
トレーニングで筋力UP!
膝の上を触ってみるとわかりますが、膝の上にはすぐに膝蓋骨(いわゆるお皿)があり周りには筋肉はありません。では膝を支えている筋肉はどこかというと、実は太ももの筋肉なんです。この筋肉が弱くなると膝が不安定になり、様々な動作をする際に膝にかかる負担が大きくなります。それによって膝の軟骨がますます減り膝に痛みが起こりやすくなります。
すり減った軟骨は元に戻りません。しかし筋力をつける事で膝の負担を軽くする事が出来ます。年を重ねるとともに筋肉は弱くなります。また最近は便利になり歩く事も少なくなりました。
膝の痛みの予防には筋肉を鍛えることが一番大切です。ぜひやってみて下さい。
* ポイント*
- ・痛い時は無理しない
- ・反動はつけずにゆっくりと行なう
- ・初めは無理をせずに自分のペースで
- ・必ず続ける(三日坊主では効果なし)
●挟み込み運動
膝から太もものあたりで枕をはさみ、両脚の内側に力を入れます。力を入れたまま、ゆっくりと五つ数えて、力を抜きましょう。これを10回繰り返します。
●脚上げ運動
椅子に腰かけて片脚をゆっくりと上げて、五つ数えましょう。片脚を上げるときは、脚を伸ばした状態からそのまま真っ直ぐに上げましょう。太ももを上げるのではなく、膝は固定して下腿だけを上げるのがポイントです。これを両脚交互に10回繰り返しましょう。
東洋医学的診方
変形性膝関節症は老化によるものです。東洋医学の世界でも老化にともない、エネルギー(気)が徐々に減って骨や軟骨、筋肉を栄養できなくなるため痛みが起こると考えられています。
東洋医学の「痛み」に対する考え方は、エネルギー(気)や栄養(血)の通り道である経絡が何らかの原因で阻害され、スムーズに流れないために起こると考えられています。とくに膝や腰などの痛みは老化によると考えられています。また寒さや湿気また、風のあたりすぎもエネルギー(気)の流れを阻害すると考えられています。
つぼ療法で元気になろう!
膝眼(しつがん)
場所・・・ひざの下、あたかも眼のようにくぼんでいる所。
効能・・・膝関節症・足の疲れにも。
* このつぼは指圧よりお灸が良いでしょう。
薬局で市販されているせんねん灸でも可。