睡眠のメカニズム南大阪鍼灸所
「睡眠のメカニズムとは・・?」
疲れると眠くなるというのは、脳や体の疲労に伴って蓄積される物質に、睡眠を促す作用があるためです。睡眠に関係する物質は「睡眠物質」と呼ばれ、夜になると眠くなるのは、「体内時計」の仕組みにより、「昼間は活動し、夜間は眠る」という生活リズムが作られているのです。
「睡眠不足が続くと・・」
睡眠不足が続くと、注意力が散漫になり、集中力が低下するため、作業能力が落ちて、事故の危険性が高くなります。
また、体内時計のリズムに乱れが生じると、「倦怠感・頭痛・胃腸の不快感・食欲不振」など、さまざまな不調が現れることがあります。
さらには、深い眠りのときに分泌される成長ホルモンが少なくなるため、「肌荒れ」も起こってきます。
その他には、うつ病の症状として、不眠が現れたり、高血圧の人が不眠を訴えることも多く、眠れなくてイライラすると、自律神経の中の交感神経が活発になり、血圧が高くなるのではないかとも考えられています。あと、糖尿病との因果関係はわかっていませんが、不眠を訴える人が多いことがわかっています。
「不眠と病気の関係・・」
不眠の背景には、過労やストレスだけでなく、他の病気が隠れていることもあります。睡眠中に大きないびきをかき、いびきが中断するときに呼吸も止まる「睡眠時無呼吸症候群」や、足先やふくらはぎを虫がはうような、むずむず感があって寝付けなくなる「むずむず脚症候群」などが挙げられます。
「不眠の4つのタイプ」
不眠には大きく分けて、4つのタイプがあります。まず、自分がどのタイプに当てはまるかを知ることが大切です。
●入眠障害
寝付くまでに30~60分以上かかる状態のことです。周囲の騒音、体のかゆみや痛み、不安や緊張感などが原因と考えられます。
●中途覚醒
眠りについた後、夜中に何度も目が覚めてしまう状態のことです。前立腺肥大による夜間頻尿、ストレス、飲酒など男鹿原因になることがあります。
●早朝覚醒
早朝に目が覚めて、それ以降眠れない、または眠りが浅い状態のことです。加齢とともに増えますが、うつ病の症状としても現れます。
●熟眠障害
睡眠時間は十分ですが、眠りが浅く、ぐっすり眠ったという満足感が得られない状態のことです。ストレスなどが原因になります。
「ストレスによる寝不足」
ストレスを受けると、交感神経の働きが活発になり、脳が緊張状態になります。 そのため、睡眠のリズムに乱れが生じて不眠が起こりやすくなるのです。
睡眠には、「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」があり、この2つが交互に訪れて 睡眠のリズムをつくります。レム睡眠では、体の力は抜けていますが脳の一部は活動しています。一方、ノンレム睡眠では、脳は完全に休んでいます。私たちが眠りにつくと、まずノンレム睡眠が現れ、その後にレム睡眠が現れます。
ストレスが加わると、この睡眠のリズムが乱れ、ノンレム睡眠が減り、レム睡眠が増えます。寝付きにくいだけではなく、熟睡できないことも多くなります。
「高齢者に多い不眠」
高齢になると、深いノンレム睡眠が減り、浅いノンレム睡眠の時間が増えます。その結果、途中で目が覚めることが多くなります。個人差はあるものの、加齢とともに誰にでもこのような傾向が現れます。
日中の活動量が減るので、疲労回復のための睡眠も少なくなり、体が必要とする睡眠時間が、若いころに比べて短くなります。
また、体温リズムの変動が小さくなり、寝つきが悪くなります。体内時計の周期も短くなるため、自然と早寝早起きにもなります。
それに、腰や背中の痛み、皮膚のかゆみ、前立腺肥大による夜間頻尿などが原因で不眠になったり、うつ病、糖尿病、高血圧がある人の多くに不眠が見られます。特に、お年寄りの場合、身体的な不調などを気にする傾向があり、さらに眠れなくなるといったこともよくあります。
「東洋医学的診方」
不眠の症状を東洋医学的に考えると、『肝』・『脾』・『腎』の病であると考えます。これらは、現代医学で言う、肝臓や腎臓とは概念が少し異なります。
『肝』とは、自律神経などを主ると言われ、ストレスに大きく影響されます。
『脾』は、東洋医学独自の臓腑の考え方で、エネルギーを全身に送る役割があります。
『腎』は、生命エネルギーの貯蔵庫で、年齢と共にその機能は衰えると言われています。
鍼灸治療では、『肝』・『脾』・『腎』の働きを高め、体のバランスを整え、ゆっくり休める体を作っていきます。
「やってみよう!ツボ療法!」
お風呂などで温めながら、ゆっくり指圧してください。
《照海・しょうかい》
場所・・・内くるぶしの突起から、手の親指幅だけ下に下がったところで、骨のきわのグンと響く所です。
効能・・・不眠症・利尿効果・前立腺肥大症による頻尿にも効果
《太白・たいはく》
場所・・・足の親指の付け根、大きな関節の後ろ側に取ります。
効果・・・ストレスによるイライラに・自律神経の調節に