脳の血管の異常について南大阪鍼灸所
脳卒中に気を付けよう!
「脳卒中」に注意が必要なのは、冬だけではありません。たくさんの汗をかく夏には、体内の水分が不足して、血液が濃くなるため、脳卒中が起こりやすいのです。
脳卒中とは
脳卒中とは、脳の血管の異常によって突然いろいろな症状が現れるもので、「脳梗塞」「脳出血」「くも膜下出血」の3つに大別されます。
「脳梗塞」は、脳の血管が細くなったり、血の塊(血栓)が脳の血管に詰まって、そこから先の血流が途絶えて、脳の一部に損傷が起きるものです。「脳出血」は、脳の血管が破れて、脳内に出血が起こるものです。「くも膜下出血」は、脳を覆っている3枚の膜のうち、くも膜と軟膜の間のすき間にある動脈から出血することで起こります。
さまざまな症状
脳卒中は40歳以上の中高年に発症しやすく、特に「動脈硬化」「高血圧」「糖尿病」「脂質異常症」は脳卒中を引き起こす4大危険因子といわれています。
脳卒中の発作は、軽症なものでもろれつが回らない、言葉がしゃべられない、半身に力が入らない、真っ直ぐに歩けない、物が二重に見える、ものがうまく飲み込めない、しびれ、めまいなどです。
バッドで殴られたような激しい頭痛、激しいおう吐、39℃以上の体温、意識喪失、けいれんなどの症状は、命に危険が迫っていることを意味します。
これらの異常を感じ、たとえ、それが一過性であり、短時間で治まったとしても、異常は本格的な大発作の「警告」と考えなければいけません。
なるべく早く神経内科や脳神経外科などの専門医を受診することが必要です。
対処と予防
発作が起こると、時間の経過とともに、脳の状態が悪化します。治療が遅れると、命にかかわったり、後遺症が重くなるので、できるだけ早く治療を受けることが大切です。
例えば、脳梗塞の場合、血栓を強力に溶かす新しい薬(t-PA)が使われるようになり、発症後3時間以内に、この薬による治療が適用とされており、実行されれば後遺症の程度を大幅に軽減することが可能になっています。(t-PAは使用準備に1時間ほどかかりますので、発症して2時間のうちに病院に行く必要があります。)
●対処法
・救急車を呼ぶ
・適切な場所に移動…患者さんを安全な場所に移動させます。意識があり自分で動ける状態であっても、歩くことで脳の血流が減ったり、出血がひどくなる場合があるので、周囲の人ができるだけ静かに患者さんを運んでください。
・環境を整える…救急車到着まで、騒音や振動の少ない静かな場所で待ちます。また、必要以上に患者さんの体に触れないようにします。周囲で騒いだり、身体をゆするなどの刺激は与えないようにしましょう。
・吐いた物が気管に詰まらないように、横向きに寝かせるようにしましょう。
・麻痺がある場合は、麻痺のある側を上にしましょう。
・ベルトやネクタイ、衣服などは緩め、膝を曲げて体を安定させるようにします。
●予防のポイント
汗をかく夏には、こまめに水分を補給することが重要です。その他、生活習慣病や心臓疾患などの持病がある場合は、きちんと治療を受け、病気をコントロールします。
東洋医学的診方
脳卒中は血管循環の障害による病気です。東洋医学では「血のめぐり」といわれていますが、私たちがよく使っている「血の巡りが悪い」などと同じものです。この「血の巡り」がスムーズにいかなければ「うっ血」の状態となり、血管に血の塊や血管壁に老廃物がたまり、血の流れが詰まったり、出血したりして、脳卒中を引き起こすのです。
鍼灸治療ではうっ血を改善して血の流れをよくすることを第一に考えて、身体全体の血液の流れを正す治療を行っていきます。
ツボ療法で元気になろう!
合谷(ごうこく)
場所…人差し指と親指の根元で、やや人差し指側にとります。
効能…頭痛、頭の充血、肩こりなど