COPD 慢性閉塞性肺疾患の鍼灸治療南大阪鍼灸所
階段や坂道は大丈夫?
「階段や坂道を上がると息切れがする」と言うのはCOPDの典型的な症状です。「同年代の人と一緒に歩いていて自分だけが遅れる」「昨年は休まずに上がれていた階段で休むようになった」などあれば要注意です。「夜中にトイレに行った後、息切れがして苦しい」ということもよくあります。
息切れがあり、咳や痰が続く、喫煙歴がある、体重減少などがあれば、COPDを疑ってください。高齢者の場合、症状があっても「年のせい」「運動不足」などと思い込み、発見が遅れることがあります。
進行して重症になると、体を動かさなくても呼吸困難が起こるようになります。その前に発見して、病気の進行を食い止めることが大切です。
COPDは〟全身病〝
COPDによく併存する病気は全身に及び、肺がんやぜんそくなどの呼吸器の病気、狭心症や心筋梗塞などの心臓病、骨粗しょう症、うつ病、糖尿病、睡眠障害など多岐にわたっています。
COPDとこれらの併存症は互いに影響を与え合い、COPDの治療が不十分だと併存症が悪化し、併存症が悪化すればCOPDも悪化します。逆に言えば、COPDの治療をきちんと受けてコントロールできれば併存症も改善され、COPDにも良い影響が与えられます。
COPDは肺に限った病気ではなく、全身病と考え、全身に注意を向ける必要があります。
肺機能検査で診断
息切れは重要な症状ですが、ほかの肺や心臓病でも起こるため、COPDの診断にはスパイロメーターという器具を用いて、肺機能検査を行います。
肺機能検査では、基準となる1秒率を計算するために、肺活量や1秒量(1秒間に吐き出せる息の量)を測定します。
1秒率が70%未満で、ほかの病気がなければCOPDと診断されます。肺機能は加齢とともに低下するため、高齢者では気になる症状が無くても、検査を受けるとCOPDと診断される方が少なくありません。症状が無くても肺機能検査を受ける機会があれば受けることをお勧めします。
呼吸機能の維持や症状緩和が目的
現在は一度壊れた肺胞を元どおりにすることはできません。なるべく早く見つけて、呼吸機能がさらに低下しないように、今感じている症状を緩和することが治療の目的です。
現在ではなるべく早く気管支拡張剤を使った治療がよいとされています。
日頃から十分な睡眠をとり、過労を避け、やせ過ぎないように栄養状態にも気をつけてください。
日常生活での対策
- 禁煙…喫煙者は予防のためにも、進行を遅らせるためにも禁煙してください。
- 身体を動かす…体を動かさないでいると、「筋肉が減る」「骨がもろくなる」「心肺機能が低下する」などが起こり、「ますます体を動かさない」という悪循環に陥ります。肺機能そのものが改善するわけではありませんが、息切れが軽減され生活の質を上げることができます。
東洋医学的COPDの診方
COPDが原因で起こる全身症状を東洋医学では肺の失調状態がベースにあると考えます。
COPDにおいて東洋医学は、せきやたん、呼吸困難や食欲不振などの症状緩和と、体重増加の促進、下肢の冷え、筋肉のけいれんの防止などの健康状態を改善させます。そして胃腸障害や気管支炎、肺炎などの合併症の予防と治療に対しても用いられます。
ツボ療法で元気になろう!
中府(ちゅうふ)
- 場所…中府は鎖骨の下の出っ張り(烏口突起)から指1本分下のところにとります
- 効能…咳や痰、呼吸困難、消化不良など