魚際南大阪鍼灸所
手の太陰肺経:魚際(ぎょさい)
基本情報
所属経絡 | 手の太陰肺経(榮火穴) |
取穴部位 | 第1中手指節関節の上、橈側陥凹部、表裏の肌目にとる |
筋肉 | 短母指外転筋 |
運動神経 | 正中神経 |
知覚神経 | 橈骨神経浅枝、正中神経浅枝 |
血管 | 橈骨動脈 |
解説
第1中手指節関節とは親指の指の先から2番目の関節のことです。この関節の上というのは、腕をぶら下げたときに上になっているところのことですので、関節の手首側の陥凹部(くぼみ)のところにあたります。手の平と甲では、ほんの少し肌の色が違い、その境目が表裏の肌目として分かれています。
別説として「母子球部橈側、第1中手骨のほぼ中央、表裏の肌目陥凹部にとる」や「大菱形筋と第1中手骨底の陥凹部にとる」などがあります。ツボの位置はきっちりと固定されたものではありませんので、押さえてこたえるところ(圧痛点)を魚際とするのがよいでしょう。
ちなみに「魚際」の魚は「母子球」のことを指しています。母子球が魚腹に似ているからついた名前だといわれています。母子球の際ということで、魚際と名付けられました。
このツボは肺経の榮穴です。五兪穴の「榮穴」は「身熱を主る」といわれています。特に風邪で熱があるときは、魚際を中心として母子球全体に圧痛があることが多いです。また風邪をはじめ、頭痛や咳の治療に使うことがあります。
そのほか、少沢、乳根、足三里と組み合わせて乳房の腫れや痛みをとり、また少商、肺兪、中府と組み合わせて肺炎を治療することもあります。
効能
- 母指痛
- 弾発指
- 風邪
- 頭痛
- 咳
- 熱
- 乳房の腫れ、痛み
- 肺炎
- のどの痛み
- 肘関節痛