顎関節症と鍼灸治療南大阪鍼灸所
顎関節症
顎関節症は軽い症状も含めると一生の間に日本人の2人に1人が経験するといわれるほどよくある病気です。
物を食べたり会話をしたりするときに、口を大きく開けることが出来るのは、さまざまな筋肉と顎関節が複雑に動くからです。
なかでも咬筋や側頭筋などの筋肉と、関節内部でクッションの役割をする関節円板の働きが重要です。
顎関節症の主な症状は
・口を開けようとすると顎関節や筋肉 が痛む
・口が途中までしか開かない(開口障害)
・口を開け閉めするとカクカク、カクンカクン、ザラザラなどの音がする
このような症状が1つでもあったら、顎関節症かもしれません。口を開けたり食べ物を噛もうとするときに痛むと食生活が不自由になったり、頭痛や肩こりが重くなる場合もあります。
顎関節症の原因
これまでは主に噛み合わせの悪さが原因と考えられていましたが、近年は噛み合わせの悪さのほかに関節や筋肉構造の弱さ、緊張の持続、上下の歯を接触させる癖(TCH)などさまざまな要因が関係しているといわれ、中でもTCHが顎関節症の主な原因であるという考えが主流になってきています。
日本顎関節学会の治療診療ガイドラインでも、顎関節症の初期治療として噛み合わせの調整は推奨されないと表記されています。
痛みを伴う顎関節症の患者さんの約8割にTCHが見られました。噛み合わせの調整で歯を削ったりすると元に戻すことは出来ません。まずはTCHの改善が一番です。
唇を閉じているときに上下の歯が触れているのは当たり前と思っていませんか。本来上下の歯の接触は会話、咀嚼嚥下などのときに瞬間的に起こるもので、通常1日20分にも達しません。唇を閉じているときは上下の歯を触れていないのが普通の状態なのです。
上下の歯が離れているときは顎に力が入っておらずリラックスしています。一方歯が触れているときは、顎関節に力が加わっています。
しかし、TCHがある場合は必要がない時にも歯が触れているのが当たり前になっていて気がつかないうちに筋肉や顎関節に負担をかけています。
歯は軽く触れているだけなので、その負担は大きくありませんが長時間続くことによって負担は蓄積して筋肉や関節の中の血流を悪化させ顎関節症が起こりやすくなります。
TCHは顎関節症だけではなく、全身の健康に影響を及ぼすと考えられています。筋肉の緊張から肩こりを起こしたり、自律神経のバランスを崩したり精神的な疾患を悪化させることもわかってきています。
TCHの自己チェック法
①姿勢を正しくして正面を向き、軽く目を閉じる
②唇を軽く閉じる
③上下の歯を接触しないように軽く離す
このときに歯が触れている感覚に慣れてしまうと離したときに違和感があります。
違和感がある方はTCHかもしれません。意識的に上下の歯の接触を避けましょう。
はり灸治療での顎関節症の診方
はり灸治療では、TCHによって負担のかかっている筋肉に施術を行い、筋肉の緊張を取り除きます。
また、ストレスから無意識のうちに歯を食いしばっていることもあります。
ストレス緩和のために、心と身体のリラックスさせる治療も同時に行います。
ツボ療法で元気になろう!
懸顱(けんろ)
場所…コメカミの中央
効能…顎関節症・めまい・頭痛など