寝違え南大阪鍼灸所
急に首が回らない
特に病気があるわけではなくとも、普段生活していると急に体に痛みが現れることがあります。そのうちの一つに「寝違え」があります。朝起きて急に首が痛く、動かすこともつらいという症状ですが、この寝違えには鍼灸治療が即効性があります。
起こり方
「寝違え」は正確な医学用語ではありません。「朝起きた時に頚肩部に痛みが現れる」ときの総称です。
この寝違えは多くは頚肩部の筋肉や靭帯に急性に現れる炎症が原因になっています。これは睡眠中に不自然な姿勢で寝たために筋肉や靭帯に負担がかかり起こると考えられています。
通常であれば首に違和感を感じた際に寝返りなどを打って身体を動かし、身体にかかる負担を分散させています。しかし、寝返りを打たずに寝続けたり、身体に疲れがたまっているときや冷えた場合などに起こってしまいます。
症状の現れ方はその時によって違いますが、首を動かしたときに痛みを感じる比較的軽いものや、痛みで首を回せない・腕にまでしびれが出るということもあります。しかし、多くは時間経過とともに徐々に回復していきます。
鍼灸治療
寝違えによって痛みがある場合や首の可動域が狭くなったときなどは鍼灸治療をお勧めします。多くは治療直後から症状の改善を感じることができます。
不自然な姿勢で寝たことによって筋肉に負荷がかかった場合には、その筋肉が硬くなるなどの変化が起きています。触診によって首から肩にかけての筋肉を診て、硬結等の反応の出ているところへ鍼を行います。これだけでもかなり痛みが軽減することが少なくありません。ただし、たとえば首の右側が痛い場合でも左右両方に鍼を行います。これは痛みのきついほうをかばって反対側の筋肉にも負担がかかっているためです。
また首だけでなく肩甲骨周りの筋肉を緩めていくことも大切です。首や肩の動きは肩甲骨が自在に動くかどうかで変わってくるからです。首の骨から肩関節の中央にある「肩井」や肩甲骨の中心にある「天宗」、左右の肩甲骨の間にあるツボなどに鍼や灸を行うと肩甲骨の動きが良くなり、首も動きやすくなります。
その他、腕のほうにも寝違えに効くツボがあります。肘の外側にある「曲池」やその下方の「手三里」というツボは首の緊張を緩める効果があります。これらのツボを触って反応の出ているところに鍼や灸を行います。また、手の甲にある「落枕」というツボも寝違えに対する特効穴として有名です。
これらのツボを使い、鍼灸治療を行うと痛みが緩和され首が動かしやすくなります。しかし、まだ首の筋肉が完全によくなったわけではありません。治療後に大きく首を動かすなど、無理をすると症状がかえって悪化してしまうこともあります。治療後も首に負担がかかりすぎないように気を付けておくことを心がけましょう。