胃潰瘍南大阪鍼灸所
胃潰瘍
本来は食べ物を消化するための胃酸や消化液が、自分の胃そのものを傷つける病気です。
最近、ピロリ菌という菌がこの病気にかかわっていることが明らかになり、新しい治療法が始まっています。
どんな病気?
本来は食べ物を消化するための胃酸が胃壁まで溶かしてしまう病気です。胃壁は5層から出来ていますが表面の粘膜層だけにとどまらず、その下にある粘膜下層までえぐれた状態が胃潰瘍です。
症状・・・みぞおちあたりがシクシクと持続的に痛みます。胃潰瘍の特徴は、空腹時に痛みがあることです。痛みがあっても食事などで胃に何かを入れると、すぐに痛みは治まります。
どうして胃潰瘍になるの?
胃潰瘍が起こるのは、粘膜を守る「防御因子」と粘膜を傷害する「攻撃因子」とのバランスが崩れるためだと考えられています。
防御因子
胃の粘膜を守る粘液と粘膜内に栄養を送る血液循環
攻撃因子
食べ物を消化するための消化液(胃酸・ペプシン)
健康な人の胃では防御因子と攻撃因子とのバランスが保たれているため食べ物を十分に消化でき、胃壁が傷つくことはありません。しかしこのバランスが崩れて攻撃因子が強くなると胃潰瘍が起こります。
攻撃因子が強くなる原因としては「ストレス」「アルコール」「喫煙」「暴飲暴食」「ピロリ菌の感染」などがあります。このような刺激物があると、胃壁の血流が悪くなります。
このため胃壁を守る防御因子である粘膜の分泌が低下し、結果的に攻撃因子が強くなりすぎて、胃壁を傷つけてしまうのです。
ピロリ菌について
胃の中は胃酸のために強い酸性になっています。そのため胃の中では細菌は住めないと思われてきました。しかし1982年、オーストラリアの医師により胃の中に住む細菌が発見されました。その細菌が「ヘリコバクター・ピロリ菌」です。
ピロリ菌は飲み水や食べ物を介して口から感染します。上下水道の設備が整っていなかった時代は感染しやすかったと言えます。そのため5〇歳以上の人の60~70%がピロリ菌に感染しています。
一方衛生環境がよい時代に育った若い人たちは感染する機会が減っています。ですから将来的にはピロリ菌感染者も減少していく傾向にあります。ピロリ菌は胃壁に存在し、胃炎や胃潰瘍を引き起こす菌だということが明らかになっています。
胃潰瘍の治療法
胃酸の分泌を抑える薬を使って攻撃因子を弱めて、防御因子とのバランスを整える治療が行われます。ピロリ菌感染者には除菌を行います。
胃潰瘍の患者さんのうち9割の方にピロリ菌感染が見られ、ピロリ菌を完全に除菌すると80~90%が再発しないと言う結果が出ているためです。
日常生活の注意
胃潰瘍の発生にはストレスが大きく影響します。忙しく不規則な生活や人間関係のストレスなど「何が自分にとってストレスになっているのか」をある程度把握して自分に合った生活を送ることが大切です。
また飲酒、喫煙は血管を収縮させ胃粘膜の血流の障害を起こします。その結果防御因子を低下させることになるのでご注意を。
鍼灸治療の効果
東洋医学の世界では胃腸の働きを整えることをとりわけ重視しています。食べ物を消化吸収して身体へのエネルギー(気)に変化させる役目をしているからです。
どんな生き物でも食べたものを消化吸収してエネルギーに変化することで生命を維持していますよね。ですから胃・脾(東洋医学の世界では脾は食べ物を分解すると考えられています)はとりわけ重要視されるわけです。
おもしろい事に西洋医学と同じように悩んだり、考え込んだりすると胃や脾の働きは悪くなります。ですからストレスをためずに生活することは東洋、西洋関係ありません。
南大阪鍼灸所の治療方法は、胃腸の働きを良くするツボを毎回必ず用いています。胃腸が弱っていない方も含めて全員に行っています。この方法により、体力を増強させ、病気を早く治すことができます。
また精神的ストレスからの胃弱の方はきもちを安定させるツボを加えることで、より良い効果をあげる事ができます。
つぼ療法で元気になろう!
1押し、3~5秒を10回を目安に行います。
足三里(あしさんり)
場所・・・膝を立てて、膝小僧へ図のように手を当てます。その時に中指の先を強く押すと、ズンとひびく所。すねの外側。
効能・・・胃腸疾患・足の疲れなど、万能のつぼ。
百会(ひゃくえ)
場所・・・頭の一番頂点。少し、くぼみのある所。
効能・・・精神安定・痔の特効穴で有名