脊柱管狭窄症・閉塞性動脈硬化症南大阪鍼灸所

 category : 腰下肢 

腰部脊柱管狭窄症・閉塞性動脈硬化症

ある時間歩き続けると、足のしびれ・脱力感が強くなり歩けなくなってしまう。しばらく休むと症状が軽減して、また歩くことができるようになる。コレは『間欠性跛行(かんけつせいはこう)』と呼ばれる症状で、比較的よく耳にする、患者さんからの訴えです。では、何故このような症状が起こるのでしょうか?一緒に勉強してみましょう!

間欠性跛行の原因

間欠性跛行の主な原因としては、腰部脊柱管の狭窄があげられます。脊柱管の狭窄は、先天的に脊柱管が狭いことに、加齢・疾患などにより脊椎の変性が加わることで起こってきます。

腰部脊柱管の狭窄には、次のタイプがあります。

(神経根型)

狭窄により、脊柱から出る神経の根元が圧迫を受ける。神経に沿って腰から下肢に痛みやしびれが起こり、多くは片側性です。

(馬尾型)

腰部の脊柱管の中を通る神経の束(馬尾)が圧迫を受ける。両側の下肢にしびれやマヒが起こり、会陰部に灼熱感などの異常を感じます。馬尾は膀胱・直腸の働きに関与しており、排尿障害や便秘などが起こることもあります。

(混合型)

前述した両者のような症状が一緒にあらわれます。

そして、これらどのタイプにも共通する症状として、間欠性跛行があります。持続して歩くことのできる時間は、脊柱狭窄の程度によって様々です。軽症の人なら10分程度、重症になると1分ぐらい歩いただけで、もう歩けなくなってしまうこともあります。こうした症状が現れるのは、歩くことで脊椎がずれて脊柱管がより狭くなり、神経の圧迫が強まるためです。

要注意!

これまでは脊柱管の狭窄による間欠性跛行について述べましたが、他にも間欠性跛行を引き起こす疾患があります。

それは、足の動脈硬化による『下肢閉塞性動脈硬化症』です。血管壁に余分なコレステロールが入り込み、血管の内腔がせまくなるのが動脈硬化です。足の血管が狭くなると、爪先にかけての血流が低下し、足のしびれなどが起こります。さらに症状が進むと、脊柱管狭窄と同様に間欠性跛行が現れます。下肢閉塞性動脈硬化症は重症になると、壊疽(えそ)を起こすため、下肢や足の指を切断せざるをえないこともある、大変怖い病気です。

鑑別のポイント

間欠性跛行では、その原因が何であるかを見極めることが非常に重要です。最も特徴的なのは、脊柱管狭窄による間欠性跛行は、座って休憩をとったり、腰を前傾させると症状が軽減したり、消失することです。これはそのような姿勢をとることで、脊柱管が自然と広がり、脊柱管での圧迫がなくなるためです。

一方、下肢閉塞性動脈硬化症では、立ったままでも休憩をとると、症状が軽減します。その他にも表に示すような相違点が鑑別の際のポイントとなります。

状況 脊柱管狭窄症 閉塞性動脈硬化症
杖を突いて歩くとマシか? よい 無関係
階段を降りたり、椅子から立ち上がる時に痛むか? 痛みが悪化する 痛みとは無関係
歩けなくなったときにしゃがみ込むか? はい いいえ
足の回復を待つときに腰をかけるとよいか? よい 無関係
自転車に乗るとよいか? よい つらい
排尿障害・会陰部の灼熱感はあるか? ある ない

 

日常の対策

脊柱管狭窄がある人は、神経を圧迫するような動作や姿勢を避けることが大切です。背中を反らせる姿勢は、脊柱管をより狭くして神経を強く圧迫し、症状が出やすくします。重いものを持ち上げたり、腰をひねる動作にも注意が必要です。

脊柱管を少しでも広げるには、前かがみの姿勢が勧められます。歩くときには杖やカートを使ったり、自転車に乗ると楽になります。ただし、座って前かがみになっているのが、楽だからといって、同じ姿勢で長時間座りっぱなしというようなことは避けましょう。痛みがあるからと、過剰に安静にし過ぎるのも禁物です。生活の中で症状を出さないように工夫しながら、適度に体を動かすように心がけましょう!

下肢閉塞性動脈硬化症では生活習慣に気を配り、動脈硬化を防ぐことが第一です。いわゆる「サラサラ血液」を保つ努力をしましょう!

鍼灸治療の効果

間欠性跛行は東洋医学では、血(けつ)の病、腎の病であると考えることができます。

血とは現代医学の血液とほぼ同じで、流れが滞ると、しびれ・痛み・冷えなどを引き起こします。

腎とは現代医学の腎臓とは異なるもので、成長・発育・生殖などに深く関与し、骨格の形成などを行っています。腎の働きが弱ると、骨が脆くなったり、変形しやすくなります。

鍼灸治療では血の流れを整えたり、腎の働きを強化するようなツボを使って、間欠性跛行にアプローチしていきます。

自分でできるツボ療法

水泉(すいせん)

場所:内くるぶしと、かかとの先端を結ぶ線のほぼ中央に取る。

効能:腎の働きを整える

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