糖尿病南大阪鍼灸所
糖尿病ってどんな病気
糖尿病は血液中のブドウ糖の量(血糖値)が、通常より多い状態をいいます。適切な治療を受けずにブドウ糖が多い状態が長期間続くと、やがて血管や神経が傷害され、いろいろな合併症が起こってきます。
1997年に厚生省が行なった糖尿病調査によると、糖尿病の人は、690万人。糖尿病の可能性がある人(境界型糖尿病)680万人を足すと、実に1370万人という人数になります。
つまり日本人の10人に1人が糖尿病あるいは糖尿病の可能性があることになります。
ブドウ糖の流れ
血液中にブドウ糖が増えるわけ
血液中のブドウ糖は、筋肉を動かすためのエネルギー源や、脳が働くためのエネルギーとして、重要な役割をしています。
私たちが活動するうえで欠かせないブドウ糖は、ご飯やパンなどの主食や砂糖類、果物に入っています。私たちはこれらを食事から体内に取り入れているのです。
では私たちが食べたブドウ糖はどのように体内に取り入れられ、エネルギーになっていくのでしょうか? まず食べたご飯やパンなどは胃・十二指腸でブドウ糖に変化され、腸管で吸収されます。吸収されたブドウ糖はひとまず肝臓に送られます。肝臓に入ったブドウ糖は、ここから全身の血液中に送り出され、体中を巡るのです。
血液中のブドウ糖がエネルギーとして細胞に取り込まれるときに働くのが、インスリンというホルモンです。血液中のブドウ糖が増えると、インスリンが膵臓から出て、ブドウ糖を各臓器や組織の細胞に取り込みエネルギーとして使われるのです。
インスリンが減ってしまうと・・・
このように通常は血液中のブドウ糖が増えるとインスリンが膵臓から出てきて、細胞に取り込みエネルギーとして使われるので血液中のブドウ糖の量は一定に保たれています。
ですがいつもたくさん食事をとっていたり、運動不足でブドウ糖を燃焼していないと、血液中に常に大量のブドウ糖があるため、膵臓はたくさんのインスリンを出さなければなりません。この状態が長く続くと、膵臓は疲れてしまい、インスリンの出る量がへってしまうのです。その結果細胞に取り込まれなかった行き場のないブドウ糖が血液中にあふれて残ってしまいます。
血液中のブドウ糖が増えたままの状態が続くと、ますますインスリンの出る量が減り、糖尿病になります。糖尿病は進行すると、網膜症や腎症(じんしょう)、壊疽(えそ・神経障害のこと)、脳卒中などの怖い病気を引き起こします。
糖尿病の検査方法について
糖尿病は、「尿に糖が出る病気」と書きますが、尿に糖が出るのは、病気がかなり進行してからです。糖尿病かどうかは、血液検査を行なって判定します。
- ①空腹時血糖値検査
12時間絶食した後に血液中のブドウ糖の量を測定します。110㎎/dl未満なら正常です。
- ②経口ブドウ糖負荷検査
75gのブドウ糖を飲み、30分、60分、120分後の血液中のブドウ糖の量を測る。2時間後の血液中のブドウ糖の量が140mg/dlなら正常。
- ③HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)
赤血球(血液中にある成分)にあるヘモグロビンというものとブドウ糖が結びついたもので、この値を見れば、過去1~2ヶ月間の平均的な血液中のブドウ糖の量がわかります。この値が4.3~5.8%台だと、正常です。
この検査は、過去の値がわかるので、糖尿病の治療の際に良く用いられており、治療の目安に使われています。
糖尿病の初めは自覚症状はありません。ですから自分が知らないまま、進行している場合もあります。一年に一回は血液検査を行い注意しておきましょう。
- ①家族に糖尿病の人がいる
- ③肥満がある
特に、これらの事に一つでもあてはまる人は注意しましょう。
鍼灸治療の効果
東洋医学では、ほぼ現代の糖尿病と同じ症状の病気を「消渇(しょうかち)」という病名で昔から治療してきました。
治療において最も大事な事は、ドロドロになった血液を、サラサラに変えて血流を良くする事です。糖尿病の人の血液は、中性脂肪・血小板が多く、高コレステロール値を示すドロドロとしています。血流を良くする事で、合併症が防げるためです。このようなドロドロとした血液の事を東洋医学では「瘀血(おけつ)」と言います。昔から「瘀血百病」と言われています。これは、様々な多くの病の原因は瘀血が関係しているという意味で重要視してきました。逆に考えると、これを改善する事で、様々な病気が防げると言えます。
つぼ療法で元気になろう!
糖尿病などで必要以上に血管にブドウ糖がたまると、血行が悪くなります。血行が悪くなると肩が凝ったり、手足がしびれたり、時々足がつったりします。毎日つぼをマッサージして血行を改善しましょう。
曲池(きょうくち)
場所・・・肘を曲げるとできるシワの外側
効能・・・血行を良くするので、体の凝りに
足三里(あしさんり)
場所・・・むこうずねの外側。足の前面の骨を指で上に向って触っていき、指の止まる所の外側。
効能・・・血行を良くする。また、胃腸にも。