女性に多い「貧血」の解消法南大阪鍼灸所

 category : 代謝内分泌 

解決!貧血の悩み

酸素を全身に運ぶ赤血球が減少するなどが原因で、立ちくらみやめまいなどの症状が起きる貧血。女性のおよそ10人に1人は貧血傾向であるといわれています。

貧血ってなんだろう?

血液中の赤血球や赤血球中のヘモグロビンの数か少なくなった状態をいいます。赤血球やヘモグロビンは全身の細胞の酸素を運ぶ働きをしています。

このため何らかの原因で赤血球やヘモグロビンが少なくなってしまうと、全身のあらゆる器官が酸素不足になり、様々な症状が現れます。

貧血の種類

貧血のほとんどは鉄分が不足して起こる「鉄欠乏性貧血」です。しかし貧血の中には病気から起こる場合がありますので注意が必要です。

①赤血球がうまく作れない

赤血球の寿命は約120日です。1日に1%の赤血球が脾臓・肝臓で破壊されています。

その一方で常に骨髄で新しい赤血球が作られて、血中のバランスをうまく保っています。しかし骨髄で赤血球の産生が低下してしまう病気(再生不良貧血・白血病)になると貧血がおこります。これらの病気はあまり多くはありませんが、難病で専門の診療が必要です。

②ホルモンの不足

酸素不足の状態が長く続くと、腎臓から「エリスロポイエチン」というホルモンが分泌されます。「エリスロポイエチン」は骨髄に赤血球を作るよう促すホルモンです。腎臓の悪い人はこのホルモンが作れないため、貧血が起こります。

③出血・溶血

ケガや消化管の出血、子宮筋腫のため貧血になることがあります(出血性貧血)。また赤血球が120日という寿命よりも短い間に死滅するようなことが起こると、赤血球の産生が追いつかず、貧血が起こります(溶血性貧血)。

④栄養素の不足

赤血球は「鉄・タンパク質」を材料にして作られます。またビタミンB12や葉酸は骨髄に赤血球の産生を促すビタミンで、抗貧血ビタミンと言われています。

この中で最も不足しやすいものが鉄です。特に女性は月経時・妊娠・出産・授乳などの際に多量の鉄を失うので気をつけることが大切です。

貧血になると・・・?

  • *立ちくらみ・・・脳に運ばれる酸素が不足するため起こります。頭痛が起こる場合もあります。
  • 疲れやすい・・・筋肉に運ばれる酸素が不足するため筋肉が疲労した状態になり疲れやすさを感じます。
  • *顔色が悪い・・・顔は皮膚が薄いため下の血液の色が透けて見えます。しかし血液の色素であるヘモグロビンが減ると血液の色が薄くなり顔色が青白く見えます。
  • 息切れ・動悸・・・血液の酸素の運搬が低下し、酸素不足になると全身に酸素を送るために呼吸の回数を増やして酸素を多量にとり入れたり、心臓から送り出す血液量を増やします。
  • *貧血のその他のサイン・・・舌が荒れる・胃炎・口のわきが口角炎や切れる・さじ状爪など。

貧血の解決は食事から

貧血のほとんどは鉄分の不足によって起こります。鉄を多く含む食品を食べる事を心がけて元気に毎日を送りましょう!

食物に含まれる鉄分は大きく分けて2種類あります。動物性(ヘム鉄)と植物性(非ヘム鉄)です。体内の吸収は動物性のヘム鉄の方が格段に高いですが、動物性のものばかり摂り過ぎると栄養のバランスが崩れてしまいます。そこで植物性の非ヘム鉄の吸収を良くする工夫が大切です。非ヘム鉄はビタミンCと一緒に取ると吸収しやすい形になるので一緒に食べることを心がけましょう。

食事のポイント

①鉄分の多い食品をとる事が大切。

  • ヘム鉄(動物性)・・・レバー・魚・肉など
  • 非ヘム鉄(植物性)・・・小松菜・大豆・貝類

②鉄分の吸収を高める食品を一緒にとる。

ビタミンCを多く含む食品(イチゴ・ブロッコリー・柑橘類)や卵・牛乳などの動物性のものを一緒に食べると非ヘム鉄の吸収率が高くなります。

東洋医学的診方

顔色が悪い、何だか疲れやすい、爪の色が悪いなど貧血のことを東洋医学では「血虚(けっきょ)」といいます。血虚とは、血が不足したり、血が薄かったり、障害物があるために血が滞るために全身に血が不足していたりする状態をいいます。

血はどのように全身を循環しているのでしょうか?血の循環には肝・心・脾の三つの臓が特に深く関係しています。

肝(西洋医学の肝臓とは異なる考え)は血がスムーズに全身を流れるような働きをしていて、血の量を管理しています。心(西洋医学の心臓とは異なる考え)は血を流す原動力になっています。また脾(西洋医学の脾臓とは異なる考え)は血が血管から外へもれないような働きをしています。脾はこのような働きだけでなく、食べたものを消化吸収して血の材料の源を作っています。

血虚の患者さんが鍼灸治療に来院されたら、まずこの血虚は何が原因かを考えます。血の流れが悪いのか、血を作り出す力が弱いのか、精神状態(東洋医学では肝や心は精神状態と深く関係するため)、などを考えた上で、肝・心・脾のどの臓に関係しているかを考えてツボを選択して治療を行います。

つぼ療法で元気になろう!

血虚の原因はさまざまです。しかしその人自身の体力がしっかりしていれば、血は不足しません。指圧(1押しを8回程度)。できたら、せんねん灸などでつぼを刺激します。

血海(ケッカイ)

場所・・・膝のお皿から、指4本分上。太腿のうちら側のふくらんだ所。

効果・・・「血の海」という名を持つこのつぼは、昔から血の病のとき用いられてきました。血の循環を良くするため、生理痛や動脈硬化の方にも

気海(キカイ)

場所・・・へそから指2本分下。

効果・・・「気の海」という名をもつこのつぼは気が集まる所で、元気がでるつぼです。貧血の方だけでなく、疲れやすい方、精力減退の方にも。

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