過敏性腸症候群南大阪鍼灸所
『過敏性腸症候群とは?』
病院での検査では異常が見つからないのに、「腹痛」や腹部の不快感を伴う「下痢」や「便秘」を「繰り返す」病気です。原因はよく分かっていませんが、多くはストレスが関係しているとされています。
日常生活に支障がなく、病院を受診していない人まで含めると、日本人の1割~2割程度が過敏性腸症候群の診断基準に当てはまるといわれており、特に20~40歳代に多くみられています。
『症状が繰り返し起こる仕組み』
脳と腸は自律神経でつながっており、脳は自律神経を介して腸の働きをコントロールしているのです。
『治療①』
原因が分かっていないため根治は難しいですが、症状を起こりにくくする事で、病気と上手に付き合っていく事は出来ます。気分よく生活出来るように症状を改善することが治療の目標です。
「生活習慣の改善」
- ●食事:1日3食決まった時間にゆっくり食べるようにします。
- ●運動:毎日適度な運動を続けていきます。
- ●睡眠:早寝早起きをし、睡眠を十分とります。
- ●トイレ:便秘型の人は、便意が無くても毎朝同じ時間にトイレにいくようにし、便が出なくても継続し、排便のリズムをつけましょう。
「食事療法」
ストレスを感じるような食事制限はせず、まずは「腸に良い物」と「控えたほうがいい物」を知ることが大切です。
腸によいもの
●乳酸菌食品●食物繊維
控えたほうがよいもの
●脂質●香辛料●アルコール
『治療②』
『治療①』で症状が改善されない時は、「薬物療法」も平行して行われます。
まず、「消化管運動調整薬」や「腸内細菌調整薬」で、お腹の調子を整えます。便秘型や混合型の人は、症状や程度によって「下剤」を追加します。また、ストレスが大きく影響している場合は、「抗不安薬」などを用いることがあります。
それでも症状が改善されなければ、心療内科で「カウンセリング」を受けることもあります。
「ストレスを和らげる工夫」
ストレスにより、過敏性腸症候群を発症すると、「またお腹の調子が悪くなるかも」と不安になり、それが、さらなるストレスとなって悪循環に陥ります。
これを断ち切るには、トイレにいつでも行くことが出来る環境を作るなどして、出来るだけ不安を解消しましょう。そのうち「慣れればなんとかなる」というように、ストレスを和らげる考え方が出来るようになれば、症状が起こりにくくなってきます。
『鍼灸治療の効果』
東洋医学では「肝」は自律神経をつかさどり、最も精神的ストレスを受けやすいと考えられています。「肝」は「脾」と関係が深く、肝気が高ぶっている(ストレス過剰状態)場合には、脾の働き(消化器系)にも大きく影響を及ぼし、下痢、便秘などを引き起こします。
鍼灸治療では、肝や脾の働きを整えてあげるツボを刺激することで、下痢、便秘の症状を緩和していきます。
『ツボ療法で元気になろう!』
地機(ちき)
場所:向うずねの内側で、膝の後ろの横じわの高さから指幅5本分下がった所に取ります。
効能:下痢・便秘・食欲不振・腹部膨満感など。