高齢者と薬の副作用南大阪鍼灸所
「お年寄りと薬の副作用」
高齢になると、多種類の薬を長期間服用するケースが多くなり、そこで心配になるのが副作用です。薬は多かれ少なかれ、副作用が起こりうるものですが、実際に高齢になるほど副作用が出やすくなることがわかっています。
70歳代半ばごろから、副作用の発生件数が急激に増え、特に85歳以上の年代では、薬を服用した人の約20%に、何らかの副作用が出ています。その主な原因が、「生理機能の低下」と「運動・感覚機能の低下」の2つです。
「生理機能の低下」
内服薬は口から入ると、胃、小腸を経て肝臓に運ばれ、そこで分解されます。分解された薬の一部は血液中に溶け込み、体内をめぐって薬としての効果を発揮し、残りは腎臓に運ばれ、尿として排泄されます。
薬の代謝や排泄には、肝臓と腎臓が深く関係しており、高齢になると機能が低下するため、薬の成分が体内にたまり、副作用を起こしやすくなるのです。
「運動・感覚機能の低下」
例えば、薬の中には副作用としてめまいやふらつきを起こすものがあります。若い人なら踏みとどまれる程度の軽いめまいやふらつきであっても、筋力や平衡感覚が低下したお年寄りでは、転倒してしまうこともあるのです。
また、記憶力が低下すると、薬の飲み忘れ、飲んだことを忘れてもう一度飲んでしまうなど、服用法を間違えることがあります。 対処法としては、1回ごとの服用量を小さな袋に小分けしたり、袋に時間帯を書いたりして、飲み忘れや飲み違いを防ぐことが一番です。
「飲みにくさ」
自分でもできる!飲みやすくするための工夫!
薬に対して苦手意識を持っている人も多いものです。その理由は、主に薬の「飲みにくさ」にあるようです。例えば、加齢とともに唾液の分泌が減ったり、飲み下す力が弱くなったりして、なかなか薬を飲み込めなくなってきます。
薬が飲み込みにくいというのは、毎日薬を飲まなければならない人にとって、かなりのストレスになります。かかりつけの薬剤師に相談して、飲みやすいように工夫していただくか、ご自身で工夫してみてはいかがでしょう。
「飲み合わせ」
正しく飲んでいれば、重大な副作用が起こることはまれです。
ただし、薬にはさまざまな成分が含まれているので、複数の種類の薬を服用した場合には、互いの成分が作用し合って、予期せぬ副作用が起こることがあります。これを「薬物相互作用」といいます。お年寄りでは、複数の種類の薬を服用している人が多いため、こうした薬の飲み合わせによる副作用に、特に注意しなければいけません。
「鍼灸の効果」
薬には、西洋薬と漢方薬の2種類があり、西洋薬は普段、病院で症状にあった薬が処方されています。
しかし、漢方を含め、東洋医学的な考え方には、目で見たりする「望診」、耳で聞いたり臭いによる「聞診」、質問して話を聞きだす「問診」、手で触れる「切診」の4つの診察法があります。医者は、これらの診察法から収集した情報を総合して、患者一人一人にあった漢方薬や治療法を処方しています。
「やってみよう!ツボ療法!」
《復溜・ふくりゅう》
場所・・・内くるぶしの頂上から、指3本分上がったところで、アキレス腱の前側に取ります。
効果・・・心臓や腎臓、肝臓の疾患によるむくみ・眼の下のクマ・下痢など。