顔面神経麻痺南大阪鍼灸所
「いつもと違う顔に気付いたら・・」
ある日突然、「目が痛い」、「目が乾く」、「うがいをする時に口から水がこぼれる」、「よだれがよく出る」など、そんな症状を自覚したら、「顔面神経麻痺(マヒ)」が現れているかもしれません。
今月は「顔面神経麻痺」についてのお話です。
「顔面神経麻痺とは?」
ほとんどの場合、顔の左右どちらか一方が動きがなく、つり合いがくずれてしまう病気です。
「顔面神経麻痺の種類と原因」
- ① べル麻痺
顔面神経麻痺の大半(60~70%)を占めます。口内炎や唇にできる水疱(すいほう)をおこすウイルスが原因です。乳幼児期にほとんどの人が感染し、体内に持っています。
- ② ハント麻痺
顔面神経麻痺の10~15%を占めます。水ぼうそうをおこすウイルスが原因で、治ったあとも、体に潜んでいます。
いずれの麻痺もウイルスが原因です。
ウイルスは体の中にいつもいますが、元気なときは悪さをしません。しかし、疲れたときなど、体の抵抗力が落ちると、ウイルスが活動し、炎症を起こします。そして神経や神経に栄養を送る血管がはれと共に圧迫され、麻痺が起こります。
また、交通事故による外傷、中耳炎、精神的ストレス、過労、クーラーや扇風機の冷気が原因となることもあります。
「治療」
- ① 十分な休養
何よりも安静第一です。疲れている体を十分に休めましょう。
- ② 薬物療法
神経の炎症をおさえる薬(ステロイド剤)や、顔の血行をよくする薬(血流改善剤)を用います。
- ③ 鍼灸治療
顔の血行をよくすることを主とした治療を行います。また、麻痺した顔の筋肉に弱い電気刺激を与えます。これらの方法を用いると早期に回復が望めます。
とくに、糖尿病を持っている方が顔面神経麻痺になると、薬によって血糖が上がり、積極的な治療を行えないことがあります。その点、鍼灸では薬に関係なく、治療効果が期待できます。
「予後」
顔面神経麻痺は回復に個人差があります。ほとんどの場合、数週間で治りますが長くかかる場合や後遺症が残る場合もあります。
「大切なこと」
症状に気付いたら、すぐに耳鼻咽喉科、神経内科を受診してください。
目に見える、しかも目立つ場所に起こる疾患のため、年齢や性別に関係なく、患者さんの精神的な苦悩は大きいものです。
家族や周囲の方が温かく見守り、負担にならないよう励ましをしてあげて下さい。
「鍼灸治療の効果」
東洋医学では、筋肉は「肝」と関係が深いと考えます。また、「肝」は、様々なストレス(精神的・肉体的ストレス)や気象条件(風・寒・湿・熱など)の影響を受けやすいため、「肝」のバランスが乱れたときに麻痺が起こることがあります。
鍼灸治療では、「肝」のバランスを整え、様々なストレスから身を守ります。
「ツボ療法で元気になろう」
気持ちよい程度にリズミカルに指圧しましょう。
【翳風】(えいふう)
場所:耳の後ろのくぼみにとる。