高齢者のうつ病南大阪鍼灸所
見逃されていることの多いうつ病
うつ病は、日本人の15人に1人が一生のうちに一度は経験する、一般的な病気です。
特に高齢者のうつ病は、ほかの世代に比べて多く、日本では、高齢者の約8人に1人は治療が必要な程度のうつ病であるといわれています。
うつ病のサインを見逃さず、早く発見し、適切な治療を始めることが大切です。
高齢者のうつ病のサイン
高齢者のうつ病は老化現象と誤解され、放置されることが多いのが現状です。
●元気がなくなり、家に閉じこもりがちになる
●食欲低下、不眠などが毎日のように続く
●体の不調を過剰に心配する
このような精神症状や身体症状がほぼ毎日、2種間以上続くような場合は、うつ病が疑われます。
なお、加齢によって、誰にでも起こる可能性のある病気をきっかけに、うつ病が発症することもあります。
その症状や病気を心配して、うつ病が悪化してしまうこともあるので、注意が必要です。
高齢者にうつ病が多い理由
●喪失感や孤独感
配偶者や友人などの親しい人と死別し、こころの失ったり、孤独な生活になる
●さまざまなストレス
身体機能の衰えや経済面などへの不安
●脳卒中の後遺症
脳血管障害(脳卒中)を起こした人の約30~50%はうつ病を発症するか、うつ状態になるといわれています。
麻痺や失語症などの後遺症が残ったり、入院生活による環境の変化も、大きなストレスになります。
脳血管障害を起こした人がうつ病を発症すると、意識が低下して、リハビリテーションが十分にできなくなり後遺症が悪化することもあります。うつ病の治療もきちんと受けることが大切です。
うつ病と認知症との違い
高齢者のうつ病は「アルツハイマー型認知症」と間違われることがあります。両者に「もの忘れ」などの共通の症状がみられるからです。
●うつ病のもの忘れ…比較的急にもの忘れが現れる
●認知症のもの忘れ…半年から1~2年の長い年月をかけてもの忘れの症状がはっきりしてくる
似ている症状があっても、うつ病とアルツハイマー型認知症の治療法は根本的に異なります。
また、2つの病期を合併することもあるので、専門医の適切な診断を受ける必要があります。
高齢者のうつ病への対処法
周囲の人はうつ病のサインを見逃さないことが大切です。
例えば、「眠れない」という訴えを、年のせいだと決めつけず、うつ病の可能性も考えて、受診を勧めることが大切です。
●薬物療法
副作用の少ない薬を、若い世代の患者さんより少ない目の量で用います。
●生きがいを見つける
打ち込めるものや、こころの張りにつながることを探しましょう。周囲の人と積極的に交流することも症状の改善につながります。
●すぐに受診する
いつもと違う状態が続く場合は、うつ病の可能性を考えて、受診を勧めることが大切です。
東洋医学的診方
東洋医学では「気」が少なくなったり、「気」の循環が悪くて、うつ病の症状が起きていると考えます。「気」は生体活動の源です。
「気」が滞ったり、不足したりすると、エネルギーや栄養が全身に行き渡りません。すると、不眠や疲れやすいなど、うつ病独特の症状を引き起こします。
また、東洋医学では「心身一如」といい、心と体は一つだと考えます。体に出てくる症状の治療をしていけば、精神的な症状も改善していくと考えます。
ツボ療法で元気になろう!
百会(ひゃくえ)
場所…頭のてっぺん。鼻すじを通る線と、両耳を結ぶ線の交わるところ
効能…ストレス、不眠、頭痛など