リウマチ南大阪鍼灸所
「リウマチの診断受けたら、すぐ治療!」
リウマチは難治性の病気ですが、効果の高い薬を早くから用いることで、治療成果が上がってきました。
「リウマチとは…?」
関節の腫れや痛み、こわばりを主症状とし、30歳~50歳の働き盛りの人に最も多く、男女比で比べると8対2で、圧倒的に女性に多い病気です。
一般に、指や手足から発症することが多く、進行すると、全身の軟骨や骨が破壊されて、関節が変形して動かなくなり、日常生活に支障を来たすことがあります。
「リウマチの原因」
リウマチになりうる要因を持った人が、ストレスや妊娠をきっかけに発症すると考えられています。
自分自身を守る免疫が、関節の滑膜という部分を、ウイルスなどの異物と勘違いして攻撃するため炎症が起こり、腫れや痛みなどを引き起こします。
リウマチになりうる要因や、免疫が勘違いを起こすメカニズムなどの詳しいことは、まだはっきりとわかっていません。
現在、リウマチは「7つの診断基準」に基づいて診断されます。血液検査で、リウマチでない人が陽性になることもあるので、症状と検査結果を考慮した総合的な判断が必要となります。
関節リウマチの診断基準
①朝のこわばりが1時間以上続く
②3つ以上の関節が腫れる
③手首や指の付け根、指先から2番目の関節が腫れる
④左右対称に腫れる
⑤皮下結節がある(しこりのようなもの)
⑥リウマトイド因子が陽性になる(血液検査)
⑦手のエックス線写真に異常所見がある
以上の7項目のうち、4つ以上該当すれば、関節リウマチと診断される。①~④は6週間以上続いている場合を、④の「左右対称」とは、例えば右手の薬指の先から2番目の関節が腫れ、左手の指先から2番目の関節が腫れていれば、薬指以外でも該当するとみなす。
早期発見の新基準
2010年にアメリカリウマチ学会とヨーロッパリウマチ学会によって作成された新しい診断基準です。日本でも導入が検討されています。
項目が4つに分けられています。それぞれの点数を算出し、合計が6点以上の場合に関節リウマチと診断されます。
腫れ・痛みのある関節の数 | |
中・大関節に1つ以上の腫脹または疼痛関節あり | 0点 |
中・大関節に2~10個の腫脹または疼痛関節あり | 1点 |
小関節に1~3個の腫脹または疼痛関節あり | 2点 |
小関節に4~10個の腫脹または疼痛関節あり | 3点 |
少なくとも1つ以上の小関節領域に10個を超える腫脹または疼痛関節あり | 5点 |
「中・大関節」とは肩関節、肘関節、股関節、膝関節、足関節(くるぶしの関節)を指す。「小関節」とは手足の指の関節の大部分、それに手首の関節を指す。「小関節領域」には上記に挙げていない関節を含めてもよい。DIP関節(指の第1関節)、第1CM関節(親指の付け根の関節)、第1MTP関節(足の指の第1関節)は評価対象外。
免疫の異常 | |
リウマトイド因子、抗CCP抗体ともに陰性 | 0点 |
リウマトイド因子、抗CCP抗体の少なくとも1つが陽性・低力価 | 2点 |
リウマトイド因子、抗CCP抗体の少なくとも1つが陽性・高力価 | 3点 |
陽性・低力価:正常上限値の1~3倍まで。
陽性・高力価:正常上限値の3倍以上。
症状の持続期間 | |
6週間未満 | 0点 |
6週間以上 | 1点 |
炎症反応 | |
CRP、ESRともに正常 | 0点 |
CRP、ESRのいずれかが異常 | 1点 |
「治療法」
早期発見・早期治療が大事です。
リウマチの治療法には大きく分けて「基礎療法・薬物療法・理学療法・手術療法」の4種類があります。この4種類を組み合わせて、治療を進めます。
《薬物療法》
最近リウマチは、発症2年の間に、急速に関節の破壊が進むことがわかってきました。そこで関節の破壊を食い止めるために、より効果の高い薬が開発されました。これを早い段階から使うことで、成果を挙げています。
薬は副作用が付き物ですから、よく医師と相談し、自分に合った薬を適切に使用することが大切です。
《手術療法》
薬物療法を半年以上続けても痛みが続く時や、症状がかなり進行していて、関節が破壊された場合などに用います。
《基礎療法》
「病気を悪化させないための心がけのこと」です。十分な睡眠を取る。ストレスを避ける。栄養バランスのとれた食事をする。動きやすいように、家の中の段差を少なくするなど、文字通り治療の基礎になるものですので、しっかりと実践しましょう。
《理学療法》
リウマチになると痛みのため、関節を動かさなくなります。その結果、関節の動く範囲が狭くなり、関節を支える筋肉の力が低下して、ますます関節に負担をかけてしまいます。
これを防ぐために、関節の曲げ伸ばし運動や、関節の周りの筋肉を強化する運動を行います。やりすぎは逆効果です。8割程度の力で行いましょう。
リウマチは原因が特定できないため、現在のところ、根治させる治療法がありません。また良くなったり、悪くなったりを繰り返すことが多く、患者さんによって、病気の経過が異なります。
しかし、病気の進行を食い止めることによって、日常生活を改善することは可能です。家族の協力を得ながら、根気よく治療を進めていきましょう。
「鍼灸治療の効果」
古い東洋医学の本の中に「風湿寒の三気まじわり至り合して痺となる」とあります。風・湿・寒が原因となって痛みが起こるという意味です。
現在では、リウマチは自己免疫疾患と判明しているので、免疫の状態を整える治療、すなわち、身体を本来の状態に近づけることを目標に治療を行います。
また、鍼灸治療は「東洋医学的物理療法」とも言われ、関節の痛み、こわばりなどに効果を発揮します。
そして、鍼灸や漢方などの東洋医学と西洋医学を併用すると、治療効果が上がることが多いので、有効な治療手段のひとつと考えられます。
「ツボ療法で元気になろう!」
短時間で、継続的に指圧しましょう。
〈魚際・ぎょさい〉
場所…親指の付け根と手首との間の中間点で、手の甲と掌の境目に取ります。
効能…免疫の状態を整える。風邪の予防。