脱水症南大阪鍼灸所

 category : 循環器 

脱水症!

いよいよ夏本番。耐えがたい暑さの毎日がやって来ます。夏はレジャーのシーズンでもあり、皆さん何かと外出する機会も多いと思います。カンカン照りの日差しの中、何時間も屋外に…。毎年この時期になると、猛暑のため病院に運ばれる人も急増します。

そこで、この時期に様々な病気を引き起こす原因となる、『脱水症』について勉強してみましょう!

脱水症とは?

人間の体には多くの水分が含まれています。水分の出入りのバランスが一定に保たれることで、体の組織や働きが維持され、健康に暮らすことができます。何らかの理由で、体から出ていく水分量が増え、入ってくる水分量が少な過ぎると、体内の水分量が減少します。この状態を『脱水』といいます。

なぜ脱水に?

一般的には、炎天下での過度の運動・発熱時に大量の汗をかいた・下痢や嘔吐で水分を失った・などの時に、水分補給が不足すると起こりやすくなります。また特に、高齢者では次のような理由で起こりやすいと言われています。

腎機能の低下:腎臓では血液から老廃物をろ過して、尿を作っています。夏の暑い日に大量の汗をかくと、体内の水分量が減りますが、若者では、老廃物を濃縮した少量の色の濃い尿を排泄することができます。

ところが、高齢者では腎臓の尿濃縮力の低下により、若者と同じようにはいきません。体内の老廃物を排出するために、大量の水分を要し、多くの薄い尿として体外に排出します。そのため、若者より脱水が起こりやすくなっています。

筋肉の減少:水分は筋肉や皮下脂肪の中にも蓄えられています。高齢者では筋肉や皮下脂肪の量が減るため、多くの水分を蓄えることができなくなります。

感覚の低下:感覚の低下により、体内の水分量が減少しても、「のどが渇いた」と感じにくくなります。そのため水分補給が遅れ、脱水を起こしやすくなります。

水分摂取を控える:「尿もれが気になる」などの理由から、あえて水分をとらないようにすることも多く、体内の水分が不足しがちです。

脱水で起こるトラブル

脱水により、次のような病気が起こることがあります。

心筋梗塞:脱水では、血液中の水分も少なくなり、血液が濃くなるため、血液が固まりやすく、血管も詰まりやすくなります。心臓の冠動脈が詰まると、心筋梗塞を起こします。

脳梗塞:心筋梗塞と同じように脳の血管が詰まると、脳梗塞を起こします。

熱中症:高温の環境で、体内の水分が不足すると、体内に熱がこもって「熱中症」になります。熱中症になると、体温が上昇したり、痙攣や昏睡を起こします。重症になると、死亡することもあり、高齢者では特に注意が必要です。

外出時の注意

飲み物を携帯する:外出時には、飲もうと思った時に、すぐに飲み物が手に入るわけではありません。必ず飲み物を持ち歩き、こまめに水分補給しましょう。水・お茶・スポーツドリンクなどが適しているでしょう。

渇きを感じる前に飲む:高齢者の場合、のどが渇いたと感じた時には、すでに脱水が始まっていることもあります。そのため、のどの渇きを感じなくても、30分おきなど、一定の時間があいたら、1口でも2口でも、こまめに水分補給しましょう。

日ざしを避ける工夫:直射日光を浴びると、よけいに汗をかいて、水分が失われます。つばの広い帽子をかぶったり、日傘をさして、日ざしを避けるようにしましょう。

鍼灸治療の効果

東洋医学の概念で、「未病治」という言葉があります。コレは「未だ病ならざるを治す」という意味で、病気の予防の重要性をあらわす言葉です。

特に脱水症は、防ぐことのできる病気です。過労・睡眠不足・諸病などで体力が衰えていると、やはり、脱水も起こりやすいといえます。こまめな水分補給などはもちろんのことですが、普段から、鍼灸治療で体全体のバランスを整え、体の抵抗力を高め、養生しておくことが大切です。

自分でできるツボ療法

陽池(ようち)

場所:手の甲の側で、手首の横じわの中央あたりに取る。

効能:のぼせなどの自律神経の失調・だるさ・口の渇きなど。

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