子宮筋腫南大阪鍼灸所
子宮筋腫って何?
子宮筋腫は子宮にできる良性の腫瘍です。悪性の腫瘍になることはないので、命にかかわる病気ではありません。
30代~50代くらいまでの人に多く、この年代の5人に1人は筋腫を持っているといわれています。ただし、すべてが治療の対象になるわけではありません。
子宮筋腫の種類
●漿膜下筋腫
子宮の外側に向かってできる筋腫。方向によって、頻尿や腰痛などの症状が起こる。
●頚部筋腫
子宮の入り口の近くにできる筋腫。妊娠した場合、出産時に産道を塞ぐことがある。
●筋層内筋腫
子宮の壁の「筋層」という部分にできる筋腫。進行すると、子宮の内腔が大きくなる。
●粘膜下筋腫
子宮の内側に向かってできる筋腫。月経時の異常が起こりやすい。
●筋腫分娩
粘膜下筋腫が茎を持ち、子宮口から膣内に出てしまう。
筋腫はどうしてできるのか
なぜ筋腫ができるかは、はっきりとはわかっていません。一番の要因は卵巣から分泌される女性ホルモンと考えられています。このホルモンが盛んに分泌されるため筋腫が発育します。
子宮筋腫の症状
筋腫が大きくなると次のような症状が現れます。
①貧血
筋腫が大きくなると、月経量が増えることや、筋腫に流れる血液量が増えるため貧血症状が現れます。
②月経時の異常
月経量が増えます。出血量が多いために月経痛も強くなります。また、月経期間が長くなります。1~2か月も月経が続くこともあります。
③その他
筋腫が膀胱を圧迫するためにトイレが近くなります。また、大きくなった筋腫が神経を圧迫して腰痛などが起きます。
治療は手術だけではない
筋腫の治療といえば、ほとんどが手術療法でした。しかし、ここ10年くらいで薬物療法が進歩し、手術しなくても済むケースが増えてきました。
薬物療法は薬を使って、女性ホルモンの分泌を押さえて、これ以上筋腫が大きくならないようにします。薬物療法は、閉経が近いかどうかがポイントになります。閉経すると女性ホルモンは分泌されないため、ほとんどの場合は筋腫は小さくなるからです。とくに症状がない人は特別な治療は行いません。3~6か月ほど定期検診をして、経過をみます。
あまり神経質になる必要はありませんが、25歳を過ぎたら、年に一度は産婦人科で検診をするといいでしょう。
鍼灸治療の効果
女性の体は男性の体と比べて変化が大きい分、東洋医学の世界では重要視されてきました。昔の書物「金匱要略(きんきようりゃく:後漢時代の書)」の3分の1は女性の病気の治療法が書いてあります。また、江戸時代のころには月経、妊娠、出産に関連した変調や更年期障害などの女性特有の病気を「血の道」と呼んでいました。
婦人の月経や生殖器系の病気には「肝」と「腎」が特に関係しています。「肝」は血の循環調節を、「腎」は生殖器の成長・滋養(女性ホルモンのような働き)をしています。
子宮筋腫はこのような働きがうまくいかないために、血が停滞し、ひどくなった結果のものだと考えます。このように血がスムーズに体を巡らない状態のことを「瘀血」といいます。
鍼灸治療では、これらの臓の経絡上にあるツボを第1選択に、患者さんの体質を重視して、その患者さんにとって最もいい方法を考えながら治療していきます。
(注)東洋医学と西洋医学の「肝」「腎」の考え方は違います。肝臓・腎臓のことではありません。
ツボ療法で元気になろう!
やさしく指圧しましょう。せんねん灸を行うのも効果的です。
中極(ちゅうきょく)
場所…恥骨から指1本分上、正中線上にとる。
効能…生殖器疾患、冷え性、早漏、頻尿
照海(しょうかい)
場所…内くるぶしから指1本分下。