冬に起こる皮膚のかゆみ南大阪鍼灸所
冬のかゆみ
冬になると肌のかゆみに悩まされる人が増えますが、その原因の多くが乾燥です。高齢者では皮膚の新陳代謝が低下していることと、空気の乾燥のせいで皮膚が乾燥してしまい、かゆみが起こりやすくなります。
皮膚の保湿機能とかゆみの仕組み
健康な皮膚には潤いを保つ働きや、異物の侵入を防ぐバリア機能があります。このような働きに関わっているのが「角層」です。角層は次の三つによって皮膚の潤いを保っています。
・皮脂膜
汗と皮脂からできる「天然のクリーム」で、角層の表面を覆っています。皮膚の水分の蒸発を防いでいます。
・角質細胞間脂質
細胞と細胞の間にあり、この脂質が水分を溜め込んでいます。
・天然保湿因子
アミノ酸で作られていて、水分を保持する働きをしています。
乾燥して角層が乱れている皮膚では、神経が皮膚表面近くまで伸びています。これにより外からの刺激を受けやすく、また皮膚の内部でかゆみ物質が出て、これも神経を刺激します。この外と内からの刺激によってかゆみが生じてしまいます。
乾燥の原因
・加齢
年をとることで皮脂膜が作られにくくなり、水分が蒸発してしまいます。また角質細胞間脂質や天然保湿因子が減ってしまい、水分を保つことが出来ず乾燥しやすくなります。
・空気の乾燥
空気が乾燥すると、皮膚の水分が蒸発しやすくなります。また暖房器具によっても蒸発してしまいます。
・気温の低下
冬には皮脂や汗の分泌が低下し、天然のクリームが作られにくくなります。
・洗いすぎ
入浴時に体を洗いすぎると角質細胞がはがれたり、角質細胞間脂質や天然保湿因子が流れ出て、皮膚の水分を保てなくなります。
かゆみの対策
●保湿剤を使う
皮膚の乾燥やかゆみを防ぐには、保湿剤を使って乱れた角層を整えることが大切です。色々な種類があるので、一週間使ってみて自分にあったものを使いましょう。またかゆみが治まっても最低二週間は使い続けることが大切です。
・保湿剤の使い方のポイント
1日最低2回
入浴後10分以内に
たっぷり塗る
冬の間は使い続ける
すり込まず、手のひらでやさしく塗る
刺激感がなく、使い心地がいいものを使う
●皮膚に刺激を与えない
皮膚に刺激が加わるとかゆみが出やすいので、お風呂や衣服に注意しましょう。
・ゴシゴシ洗わない
タオルやブラシで体を強くこすると角層が乱れてしまいます。湯に入るだけでも汚れは落ちるので、冬は体を洗うのは週2・3回で十分でしょう。また熱い湯に長く入ると、皮膚の保湿機能が低下します。38~40度程度のぬるめにして、長湯しないようにしましょう。
・部屋の湿度に気をつけよう
冬は暖房で温度を高くしすぎて、空気が乾燥しがちです。湿度は50~60%が目安になりますので、加湿器などで上手に調節して乾燥しすぎないようにしましょう。
鍼灸治療
肌がかゆいと、つい掻いてしまいます。しかし掻くことによって皮膚が刺激され、かゆみ物質が出てしまいます。このかゆみ物質が神経を刺激して、さらにかゆみが悪化していきます。鍼灸治療を行うことによって一時的にかゆみを抑えることにより、この悪循環を断ち切り、適切な保湿対策を行えば、神経の長さも元に戻りかゆみは改善されて生きます。また肌の状態はストレス・睡眠不足・不規則な生活・便秘・冷えに大きく影響されますので、鍼灸治療ではこれらの症状も治療することによりかゆみの改善を目指します。
ツボ療法で元気になろう!
【中封・ちゅうほう】
場所…内くるぶしの前方で筋の内側にとる
効能…皮膚疾患、自律神経失調症など