「もぐさ」とお灸南大阪鍼灸所
お灸は何からできているの?
「お灸って何からできているの?」「もぐさってどう作られているの?」とたまに質問を受けることがあります。そこで、今回はもぐさについてと、南大阪鍼灸所で行っているお灸の種類について少し解説してみようと思います。
もぐさとは
お灸というのは「もぐさ」を使用して行います。この「もぐさ」の原料は「ヨモギ」です。もぐさはヨモギの葉の裏側にある繊毛(せんもう)という白っぽい部分だけを集めて、それを乾燥させて作られています。集めた原料を何度も精製して不純物をなくすことによって、もぐさに火をつけても一瞬で燃え尽きる最高品質のもぐさが完成します。
日本では「伊吹もぐさ」が有名ですが、伊吹山のある滋賀県ではもぐさ用のヨモギはほとんどつくられておらず、新潟県や富山県、あるいは中国などで栽培されたヨモギが原料となることが多いようです。
お灸の種類
もぐさを皮膚の上にのせて燃やすことで治療効果を発揮するのが「灸治療」です。肌の上に直接もぐさを置く灸のやり方を「透(とう)熱(ねつ)灸(きゅう)」と呼びます。この透熱灸は皮膚にごく小さな灸の痕をつけることで、その灸痕を治そうとして発揮される自然治癒力の増幅を利用して様々な病気を治療していきます。
また、透熱灸の熱さを緩和しながら治療を行う方法も数多く生み出されてきました。シンプルなものですと、お灸している周りの皮膚をグッと指などで押さえるだけでもお灸の熱さはかなり緩和できます。これを「八分灸」と呼びます。また、もぐさが完全に燃え尽きてしまう前に火を消してしまう「知熱灸」と呼ばれる方法もあります。
そのほか、もぐさと皮膚の間に熱を緩和するものを挟む「隔(かく)物(ぶつ)灸(きゅう)」と呼ばれる方法もあります。
灸点紙と呼ばれる紙をツボの上に貼り、その上にもぐさを置いて灸をする方法がよく用いられます。それ以外にも味噌の上にもぐさを置いて灸をする「みそ灸」という方法もあります。みそ灸はみそ自体が温かくなり、その熱でツボを刺激することで長時間ポカポカと体が温かくなるお灸効果があります。
そして、南大阪鍼灸所でよく行う灸である「灸頭鍼(きゅうとうしん)」もあります。これは体に鍼を立てるように刺して、その鍼の上の部分にもぐさを取り付けてお灸をする方法です。もぐさ自体は宙に浮いたような状態になり、放射熱によって広い範囲を温めてくれます。鍼と灸の効果を一度に出すことができ、様々な疾患に対して用いています。
ここで紹介した以外にもいろいろな種類のお灸が存在します。最近は自宅で手軽にすることができる台座灸なども人気です。興味のある人は一度調べてみるのも面白いでしょう