痛風南大阪鍼灸所
『風が吹いただけでも痛みます・・・』
「痛風」とは、主に足の親指の付け根が激しく痛む病気で、「風が吹いただけでも痛む」という所から、この名がついたと言われています。
患者さんの約95%が男性です。以前は50歳以上の中高年に、多く発症すると言われていましたが、近年の発症のピークは30歳代です。全体として増加していると共に、若年層に広がっています。
『痛風の原因』
痛風は血液中に「尿酸」が増え過ぎることによって起こります。
尿酸とは、身体のエネルギー源や遺伝子の素になる「プリン体」が分解されてできる物質です。プリン体は、食事から体内に取り入れられたり、体内で合成されたりします。
このプリン体が身体で使われて、老廃物となり、尿酸となって、最終的に尿と共に排泄されます。
しかし、尿酸が過剰になる、あるいは、うまく排泄できない場合、血液中の尿酸値が高くなり、痛風の原因となります。
『痛風の特徴』
痛風には、「突然起こる」「我慢できないほどの痛みを伴う」などの特徴があります。
また、「足の親指の付け根が痛む」場合が最も多く、全体の約70%ですが、ほかの足指の関節、手首や足首などの関節に症状が出る場合があります。
痛みは2~3日で治まります。しかし、生活習慣を改善しなかったり、適切な治療を受けないまま放置したりすると、発作は必ず再発し、周期的に繰り返すようになります。
さらに、高尿酸の状態が根本にあるため、「糖尿病」など、ほかの生活習慣病を引き起こす可能性が高くなり、命に関わる病気につながりかねません。
痛風は、身体から発せられる重大な「警報」であるととらえ、治療や生活習慣の改善に積極的に取り組む必要があります。
『治療法』
薬物療法が中心となります。患者さんの多くは、痛風を起こして受診しますから、まず痛みを取り除く治療を行います。その後、根本にある高尿酸の状態の治療を行います。
痛みが取れたからといって、勝手に薬の服用を中断してはいけません。
『家庭での養生法』
以下のことに注意して下さい。
・食生活の改善
プリン体はどんな飲食物にも含まれています。バランスのよい食事を、腹八分目を目安に摂取しましょう。
・週2日の休肝日
アルコールは、体内のプリン体の分解を促進し、一気に尿酸の量を増加させます。その上、アルコールが分解される過程でできる「乳酸」は、尿酸の排泄を妨げる働きがあります。
・軽い有酸素運動
激しい運動を行うとエネルギー源であるプリン体が次々と消費されて、尿酸に変わります。息を整えながら、ゆっくりとウォーキングなどを行いましょう。
・ストレスをためない
「ストレスが多い人は、尿酸値が高い」という統計が出ています。
『鍼灸治療の効果』
東洋医学で「小腸」という臓腑は、「胃」から送られてくる消化物を、身体にとって必要な物とそうでない物に、分ける働きがあると考えられています。
さらに、精神をつかさど主る「心」や、エネルギーを全身に送る「脾」と密接に関係しています。
鍼灸治療では、過剰なプリン体(尿酸)を上手に処理できるように、「小腸」の状態を整えると共に、「心」「脾」などの臓腑にも働きかけ、健康な身体へと導きます。
『ツボ療法で元気になろう!』
1日数回指圧しましょう。
〈少沢・しょうたく〉
場所・・・小指の爪の付け根、外側の角に取ります。
効能・・・お腹の調子の改善、頭痛。