パニック障害南大阪鍼灸所
パニック障害
暗い夜道を1人で歩いた時、大事な試験の当日、不安になって心臓がドキドキしたり、冷汗をかいたりした経験がある人は多いでしょう。こうした対象や原因がはっきりした不安は、それが取り除かれると解消します。
しかし、このような誰もが経験する不安とは違い、対象や原因がはっきりせず、日常生活に支障をきたす程の強い不安が続く場合は「不安障害」が疑われます。
今回はその中の一つの『パニック障害』を取り上げます。
「パニック障害」とは
パニック障害は、特別な理由なく、突然襲ってくる『パニック発作』で発症する病気です。「激しい動悸、息切れ」などの症状が起こり、患者さんは「何か重大な病気では?このまま死ぬのでは?」といった恐怖に襲われがちです。
パニック発作の原因はよくわかっていませんが、現在のところ、セロトニンという脳内の「神経伝達物質」のバランスが乱れることにより起こると考えられています。心臓や肺などに何らかの異常があって起きるわけではないので、時間がたてば自然に治まります。
しかし、この発作は1回で終わることはなく何度も繰り返され、そのうち「また、あのパニック発作が襲ってくるのではないか」という強い不安が患者さんを苦しめるようになります。このパニック発作が起こる事を強く不安に思う症状を『予期不安』といい、パニック発作と並んでパニック障害の特徴的な症状です。
パニック障害の〝悪循環〟
『予期不安』があると、過去に発作を経験した場所や状況などで不安が高まります。それにより実際にパニック発作が誘発されがちです。
そして、発作の症状に対し、患者さんは「死んでしまうかも…」などと、極端に悲観的な解釈をしてしまい、更に不安が強まることで症状を悪化させていってしまうのです。
日常生活への支障
多くの患者さんは、発作を起こすと困る場所や状況に苦手意識をもち、避けるようになります。そうすると、乗り物に乗れなくなる、外出できなくなるなど、今まで普通にできていた事ができなくなります。これを『広場恐怖』といいます。
こうした状況が長く続くと、気分が落ち込み「うつ状態」になってしまいがちです。パニック障害の患者さんの約半数は「うつ病」を合併し、日常生活に支障をきたしています。
診断
パニック障害かどうかは、診断基準に基づいて判断されます。ただし、心臓病や喘息などでも似た症状が現れることがあるため、医療機関でこれらの病気を鑑別してもらう必要があります。
治療法
半数以上の患者さんは、「薬物療法」で十分な効果が得られますが、効果が現れない場合は「認知行動療法」が行われます。
認知行動療法は、発作により「死んでしまうのでは」と悲観的に考えたり、本来、恐怖や不安を感じる必要のない事に過敏に反応しまうなどの「心の過った反応」を治す事が目的です。自分の考え方や行動がパニック発作とどう関連しているかを理解し、電車に乗れない、人ごみを歩けないなどの行動をコントロールできるようにしていく訓練療法です。
鍼灸治療の効果
東洋医学では、臓腑は感情の働きも司ると考え、肝は怒りの感情を、腎は驚きや恐れの感情を司ります。精神的なストレスや不安により、肝や腎の働きが弱まると、気・血の流れが滞り、気持ちが安定しなくなり、パニック症状に繋がります。
治療においては、臓腑の働きを高めると共に、全身治療で不安からくる身体の緊張を取り除いていきます。
ツボ療法で元気になろう!
【太衝・たいしょう】
場所:足の甲で、親指の付け根から骨の内側に沿って少し上がった所に取ります。