天容南大阪鍼灸所
category : 経絡経穴
手の太陽小腸経:天容(てんよう)
基本情報
所属経絡 | 手の太陽小腸経 |
取穴部位 | 下顎角の後ろで、胸鎖乳突筋の前縁に取る |
筋肉 | 胸鎖乳突筋、顎二腹筋後腹 |
運動神経 | 副神経、頸神経叢筋枝、顔面神経 |
知覚神経 | 大耳介神経、頸横神経 |
血管 | 外頚動脈 |
解説
天容穴はあごの骨の角の後ろで、首にある胸鎖乳突筋という大きな筋肉の前側に取穴する経穴です。
「天」は頭部、「容」は引き入れる、受け入れるという意味があります。この経穴は耳の下、下顎骨の後ろの頭部に位置していて、頭頚部の疾患を治す効果があることからこの名がついたといわれています。
- 『十四経発揮』『甲乙経』:耳の曲頬の後に在り
- 『霊枢』:耳下曲頬の後に在り
- 『医学入門』:耳の下、曲頬の後、陥中に在り
曲頬とは下顎骨のことを指しています。この天容穴は三焦経の翳風穴の直下に当たります。
治療としては頸部の病、うなじが凝って首が回らないとき、またものが言えないとき、胸が痛い、胸が重苦しくて息することもできないようなとき、歯が痛い、耳鳴りがする、難聴があるときにこの天容穴を使います。
のどが痛んで寝られないようなとき、耳の下にある下あごのかどすみ辺りを軽く押していたら、痛みが和らいだという経験を持つ人が少なくないが、これは自然に天容穴を押しているためでもあります。
効能
- 片頭痛
- 咽頭炎
- 扁桃炎
- 耳鳴り
- 難聴
- 歯痛
- 頬部腫脹
- 甲状腺肥大