筋・筋膜性腰痛南大阪鍼灸所

 category : 腰下肢 

筋・筋膜性腰痛

「前かがみで家事をしていると腰がだる痛くなる」「長時間運転すると腰が重たくなりだんだん浅く座る」「日頃から腰痛もちで背中を丸めて姿勢が悪い」「椅子に座ると無意識に脚を組んでしまう」などの症状に心あたりがある方は筋・筋膜性の原因がある腰痛かもしれません。

腰痛のある人は国内で推定約3000万人、国民の1/4が腰痛を患っています。そのうち筋・筋膜性腰痛が7~8割を占めています。

筋・筋膜性腰痛とは、身体を支える筋肉や、筋肉を包んでいる被膜に原因があって起こる腰痛です。

筋・筋膜性腰痛は鍼灸治療の適応症の中でも最も効果のある疾患の一つです。

筋・筋膜性腰痛とは

過度の運動や長時間同じ姿勢を続けていると、筋肉の疲労や緊張が生じ、筋肉の中を走行している血管が圧迫され血液循環の滞りが起きます。血液循環の滞りが生じますと、筋肉に老廃物などの痛みの素となる物質がたまりコリ(硬結)ができ、痛みが現れます。

このような状態で筋肉が運動を行えば、筋線維はすぐに傷つき再び大きなコリ(硬結)ができ、痛みが起こります。そのため痛みが慢性的になり、筋肉の緊張がさらに強くなり、より大きなコリ(硬結)が出来るというような悪循環となります。

そして加齢や運動不足になると筋肉を使わなくなって衰えていき、筋力そのものが低下します。筋力の低下に伴い背骨を支えることが出来ずに姿勢が悪くなります。さらに姿勢の悪化が更なる筋力の低下を招き次第に関節の動きも悪くなります。

また、心身にストレスが加わると自律神経の交感神経が緊張します。交感神経が緊張すると血管が収縮してしまい、筋肉の血液循環さらに悪化しコリ(硬結)がすぐに出来やすくなります。これらの悪循環が原因となり筋・筋膜性腰痛が起こります。

鍼灸治療では筋・筋膜性腰痛の原因になっている筋肉のコリ(硬結)に直接刺激をします。鍼灸治療でコリ(硬結)を刺激をすることで、血液循環が改善します。そして、筋・筋膜性腰痛の原因になっている筋肉以外の全身のツボにも鍼灸治療をします。全身のツボを使用することで末梢まで血流が流れるように、全身の血行を改善していきます。また、交感神経の緊張をほぐすツボ百会(頭の頂点)や行間(足の甲で第1指と第2指の間)を使ったりします。

筋・筋膜性腰痛の特徴と症状

筋・筋膜性腰痛の痛みは動いた時に痛みが出ることが多いです。安静時に痛みを伴うことはまれです。ただし、ここで言う安静時に伴う痛みとはゆっくり横になっていても痛むことです。立ったままじっとしている、また座って静かにしているときに痛みがあるという意味ではありません。これらの動作は動いていなくてもその姿勢を保つ際に筋肉が収縮したり、負担のかかる筋肉もあります。このような姿勢での痛みを安易に安静時に伴う痛みと判断することは間違いです。

筋・筋膜性腰痛は鈍痛が多く、患者さんたちは「重だるい痛み」「張ったような痛み」「締め付けられるような痛み」など訴えられます。そして、筋・筋膜性腰痛では患者さん自ら痛みの部位を示す時に「大体このあたりです」とはっきりと「ここです」というよりは、ある程度の範囲を示すことが多いです。

筋・筋膜性腰痛の原因となる主な筋肉

腸腰筋

大腰筋、小腰筋、腸骨筋の3つの筋が合わさって腸腰筋となります。腸腰筋は腰椎と大腿部をつなぐ筋肉で、主に太腿を引き上げる(膝をお腹に近づける)作用があります。

腸腰筋が緊張するとイスに座るときに浅く腰を掛けるようになります。激しいスポーツをしている若者や樽みたいにお腹が出張った(ビール腹)患者さんで腰痛を訴えている方に多くみられます。長時間の車の運転で腰が痛くなる方や映画館で鑑賞中に腰が痛くなる方などは腸腰筋が原因の筋・筋膜性腰痛の可能性が高いです。

腰方形筋

腰方形筋は骨盤と腰椎の横突起および第12肋骨をつなぐ筋肉で、腰椎をしっかり安定させる作用があります。

腰方形筋が緊張すると寝返りなどの動作が困難となります。横向きでエビのように「く」の字で寝ることが楽な方などは腰方形筋が原因の筋・筋膜性腰痛の可能性が高いです。

脊柱起立筋

脊柱起立筋は背中で背骨を挟んで縦に伸びる2本の筋肉です。脊柱起立筋は背中を伸ばす(後屈させる)作用のある筋肉です。

脊柱起立筋が緊張すると背中を丸めるようになります。そして、イスに座ると深く腰を掛け肘を膝にあてて背中を丸めるようにします。この背中を丸める姿勢は立っていても、座っていても同じで一見姿勢や行儀が悪いようにも見えます。背中を常に丸めている方や洗顔時に腰が痛くなる方などは脊柱起立筋が原因の筋・筋膜性腰痛の可能性が高いです。

中殿筋

中殿筋は片足立ちした時にふらつかないように骨盤を安定させる作用がある筋肉です。

中殿筋が緊張するとイスに座っているときに足を組むようになり、お尻から太ももの裏側にかけてだる痛い鈍痛が現れます。座っているときに無意識に足を組んでしまう方やお尻がだる痛くなる方などは中殿筋が原因の筋・筋膜性腰痛の可能性が高いです。

上記の筋肉以外にも腹直筋、多裂筋、大殿筋、小殿筋などが原因となる筋・筋膜性腰痛があります。

鍼灸治療の効果

60歳、男性、タクシー運転手、肥満(樽状体型)

Bさんは10年前に営業職からタクシー運転手に転職されました。それ以来、慢性の腰痛に悩まされるようになりました。腰痛治療のために近所の整骨院に通っていましたがあまり良くならないのでお知り合いで現在通院中の患者さんの紹介で南大阪鍼灸所に来院されました。

最近では、出庫時の朝にバックミラーを合わせたはずですが、夕方になると腰が締め付けられるようになりバックミラーの位置を合わせ直さなければいけないようになりました。腰痛の範囲は腰からお尻にかけて痛みが現れます。長時間のタクシーの運転中や洗顔時に痛くなります。寝ているときなど安静時の痛みはありません。また、足にかけての痺れもありません。

問診、理学検査、触診などの行ない腸腰筋および脊柱起立筋の筋・筋膜性腰痛と判断しました。

鍼灸治療は腸腰筋上のツボである維道、脊柱起立筋上のツボ腎兪に行ないました。また仕事のストレス緩和のためのツボ百会、行間も使いました。

治療後Bさんはスムーズに体を動かすことができると喜ばれました。

1週間後来院された時には夕方の締め付けられるような痛みはだいぶ改善されたとのことでした。

それ以来週1回のペースで治療を受けに来られています。

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