椎間板ヘルニア南大阪鍼灸所

 category : 腰下肢 

椎間板ヘルニアとは・・?」

椎骨と椎骨との間にある「椎間板」がつぶれて神経を圧迫する病気です。

椎間板ヘルニアは、腰痛の中でも患者さんが多く、一般的にもよく知られています。急性の激しい腰痛や下肢痛が現れるのが特徴で、多くの場合、「坐骨神経痛」と呼ばれる、脚全体の響くような痛みやしびれが起こります。脚の筋力が低下したり、排尿・排便障害が起こることもあります。

「椎間板ヘルニアはなぜ起こる」

椎間板とは、背骨の椎骨と椎骨の間にある、クッションの役目を果たす軟骨を指します。椎間板の真ん中にはゼリー状の「髄核」があり、周囲を「線維輪」というやや硬い組織が包んでいます。

この線維輪に何らかのきっかけで亀裂が生じると、中の髄核が後方へ飛び出します。飛び出た髄核が周囲の神経を圧迫して、腰や脚に強い痛みを引き起こすのです。

椎間板には、体重を支えるために、大きな圧力がかかっています。そこに、重いものをもつなどしてさらに圧力がかかると、線維輪に亀裂が生じてヘルニアが起こる場合があります。

「ヘルニアの主なタイプ」

膨隆型 髄核が線維輪を押し出して、後方へ突き出させている
脱出型 髄核が線維輪を突き破り、後方へ飛び出している
穿破脱出型 髄核が線維輪だけでなく、後縦靭帯まで突き破って外に出ている
遊離脱出型 髄核が後縦靭帯を突き破り、さらに離れたところまで移動している

 

《治療・保存療法》

椎間板ヘルニアは、自然に治ることもあるため、まずは保存療法を行い、1か月ほど経過を観察しながら治療を進めます。ガイドラインでも治療の基本は保存療法とされており、手術を受ける人は全体の10~30%程度です。

鍼灸治療

患部の筋肉の緊張を鍼の刺激で緩めたり、お灸で温める。

神経ブロック

患部や仙骨の硬膜外腔に、局所麻酔薬とステロイドを注射して痛みを和らげる。このほかに、神経根に直接注射する方法もあるが、入院が必要となる。

薬物療法

非ステロイド性消炎鎮痛薬(内服薬・湿布薬・坐薬など)や筋弛緩薬を使って痛みを抑える。

理学療法

筋力を強化する体操や、専用の器具で体を引っ張る「牽引」などが行われる。理学療法は痛みが落ち着いてから受けるようにする。

《治療・手術療法》

保存療法を行っても痛みがとれず、「脚が麻痺している」、「仕事ができないなど、日常生活が困難になり、本人が希望している場合」には手術が行われます。

また、「排尿・排便障害がある場合」は緊急の手術が必要で、ガイドラインでは症状が出てから48時間以内に手術を受けるように推奨されています。

「環境要因と遺伝要因」

椎間板ヘルニアの発症には、環境要因と遺伝要因の両方が関係することが明らかになっています。

例えば、自動車を長時間運転したり、重いものを持ち上げるような仕事に従事している。また、子供を抱き上げる動作を頻繁に行ったり、物を持ち上げるときに腰をひねる動作などが言われています。

最近では、遺伝も関係していることが明らかになり、特に、若い人の椎間板ヘルニアでは、その傾向が強いとされています。

「新しい手術法」

まず、3か月程度は保存療法を行うことが勧められています。

しかし、保存療法で十分な効果が得られず、日常生活に支障があれば、手術が必要であるとお話しました。その手術の中の一つである「内視鏡下手術」は新しい手術法と言われています。

背中側から切開してヘルニアを切除する後方椎間板切除術では、患部に近い背中の皮膚を10㎝程度切開してヘルニアを切除します。これに対し、内視鏡下手術では、切開するのは約1・6㎝ほどですみます。

内視鏡下手術の場合、手術後の痛みが比較的軽いため、術後に使用する鎮痛薬の量が少なくてすみます。数日~1週間程度で退院でき、社会復帰までに必要となる日数も少なくてすみます。

患者さんのQOL(生活の質)の向上につながり、健康保険の適用もされています。

鍼灸治療の効果

ヘルニアの症状を東洋医学的に考えると、『腎』と『瘀血』の病であると考えます。

『腎』は骨や体内の水分の排泄、成長発育と密接に関係していて、私達生命の「元気の源」として、精気(生体エネルギー)をつくっています。そのため、腎の活動力が弱まると、腰痛になりやすいのです。

また、全身を循環している血は、臓腑をはじめ、皮毛や、骨肉など、人体を構成するあらゆるものに栄養を与えて、それらの機能活動を盛んにしています。そのため、血行が悪くなると『瘀血』と言う、血行障害になります。

「やってみよう!ツボ療法!」

やや強めの指圧でしてみてください。

後谿・こうけい》

場所・・・手の小指の根元近くで、手のひらと甲の境目に取ります。

効能・・・腰痛全般に効果が期待できるツボ・腰痛や頚部の強張り

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