脂質異常症南大阪鍼灸所

 category : 代謝内分泌 

あなたの血液はドロドロになっていませんか?

私たちの体内に、栄養や酸素を運ぶ役割をしているのが血液です。この血液がドロドロになる「脂質異常症」という病気が増えてきています。

50歳代の男女とも6割に近い人が脂質異常症になっているという調査結果も出ています。

脂質異常症とは

私たちの体内を流れている血液にはさまざまな物質が溶け込んでいて、それぞれの役割を担っています。問題となる「脂質」もその中の一つで、大切な役割を持っています。

脂質は私たちにとって欠くことのでき兄ものなのです。しかし、血液中に必要以上に増えると、血液がドロドロになって悪影響を及ぼします。脂質には大きく分けて「コレステロール」と「中性脂肪」があります。

●コレステロール

人体を構成している無数の細胞の膜をつくる大切な素材です。副腎皮質ホルモンや男性・女性ホルモンの材料になります。

●中性脂肪

エネルギーの源です。肝臓に蓄えられていて、空腹になると分解されてエネルギーになります。また断熱材の役割があります。このため脂肪の多い人は暑さを感じやすく、痩せている人は冷えやすいという傾向があります。

コレステロールについて

コレステロールは脂質、つまり油ですので水である血液には溶けません。そこで水になじみやすい特殊なたんぱく質と結合して、粒子となって血液中に運ばれています。

よく悪玉コレステロールとか善玉コレステロールといいますが、コレステロールは1種類しかなく、粒子と結合してできたLDLとHDLが、それぞれ悪玉、善玉と呼ばれるのです。

コレステロールの生産は体内のほとんどの細胞で行われますが、主な工場は肝臓です。材料は糖質や脂質で、これらからつくられたコレステロールを体の隅々まで運んでいく役割をLDLがしています。細胞の組織にコレステロールがたまらないように回収する役割をHDLがしています。

●LDL(悪玉コレステロール)

コレステロールを運ぶ大切な役割をしていますが、数が増えてしまうと血管壁に取り込まれて動脈硬化を起こしてしまいます。

●HDL(善玉コレステロール)

コレステロール、特に血管壁に取り込まれたLDLを回収する働きがあります。数が減ってしまうと回収する量が減ることになり、動脈硬化が進んでしまいます。

この2つによって、コレステロールが細胞に取り込まれすぎないようにバランスをとっています。

バランスが大切

LDLとHDLの相互作用で、コレステロールが血管壁に取り込まれすぎないように調整されています。しかし、HDL(善玉)が少なくなったり、LDL(悪玉)が増えすぎると、コレステロールが血管壁に取り込まれすぎて、血管の内腔が狭くなります。この状態を動脈硬化といいます。動脈硬化になると、膨れ上がった部分が破れやすいため、何かの拍子に傷がつくと出血して血栓(血の塊)ができます。この血栓が心臓の動脈を塞ぐと心臓の筋肉に血液が送られなくなり、心臓が死んでしまいます。これを「心筋梗塞」といいます。同じようなことが脳の血管で起こると脳が死んでしまう「脳梗塞」になります。

中性脂肪も関係する

コレステロールと同じく、中性脂肪も水には溶けません。このため特殊なたんぱく質やコレステロールと結合して、粒子となって血液中に運ばれます。

体内の中性脂肪が増えてくると、中性脂肪を多く含む粒子がたくさん流れるようになります。

中性脂肪が多く含まれた粒子は1つ1つが大きくなるので、バランスをとるためその一部を分離させます。その結果、LDLよりも小さい粒子ができます。この小さい粒子は「超悪玉」と呼ばれます。「超悪玉」はLDLよりも小さい分血管壁に入り込みやすく、動脈硬化を促進させることが分かっています。

また、中性脂肪が増えるとHDL(善玉コレステロール)が減ってしまうことも問題です。中性脂肪が増えHDLが少なくなり、さらに動脈硬化が進行することになります。

どうしたら動脈硬化を防げるのか

動脈硬化は年とともに進行するため、高齢者に多く、また女性よりも男性に多くみられます。家族に心筋梗塞や脳梗塞を起こした人がいる場合は、動脈硬化になりやすいともいわれています。このような「年齢、性別、家族」といった要素は自分でコントロールすることができません。しかし、一方で自分の努力によって動脈硬化を防ぐ方法もあります。

●食事に気を付ける

肉・脂身などのコレステロールの多く含まれている食品を多くとりすぎていないでしょうか。とりすぎると体内のコレステロールが多くなりますので減らしましょう。

●糖分・アルコール

糖分やアルコールの取りすぎは中性脂肪を多くしてしまいます。

●運動する

運動すると、体内の中性脂肪を減らし、HDL(善玉)を増やします。1回に最低150kcalを消費する運動を、1週間に3~4回行いましょう。ちなみに150kcal消費するには、早歩きで30分、軽いジョギングで20分、テニスで20分、軽い水泳で25分が目安です。

禁煙

タバコを吸うと、HDLが低下します。禁煙するようにしましょう。

糖尿病の治療

糖尿病になると、肝臓で中性脂肪やコレステロールの合成が促進してしまいます。糖尿病の人は健康な人以上に気を付けましょう。

●女性の場合

女性では、閉経するとコレステロールが急上昇する場合があります。これは女性ホルモンに血液中のコレステロールの増加を抑える働きがあるためです。男性だけでなく女性も動脈硬化には気を付けましょう。

鍼灸治療の効果

全身に巡らなければならない血液が停滞したり、流れが悪くなったりすることを、「瘀血(おけつ)」といいます。瘀血は西洋医学的にいうと、循環不良や血液凝固、内出血に相当するものです。

東洋医学では、「肝は血を蔵す」といわれています。肝は血を貯蔵し、調整する働きを持つ臓器であるという意味です。ですから瘀血の症状があるときは、第一選択として血液を調整している肝にアプローチします。そして血液の流れがよくなるようなツボを選択して、治療していきます。

ツボ療法で元気になろう!

太衝(たいしょう)

場所…足の甲で、足の親指と第2指の骨が交わるところ。押していたむところにとる。

効能…体の血の流れを調整します。また精神的なストレスがあるときにも使用されます。

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