喘息南大阪鍼灸所
「コンコン…ゼーゼー…ヒューヒュー…喘息です!」
年が明け、寒さも一段と増してきました。このような節目節目には、自然の変化に身体がついてゆかず、風邪などから喘息を発症する事が多いのです。
喘息は死にもつながる恐ろしい病気なので、充分な注意が必要です。
「喘息とは…?」
空気の通り道である気道に、ほこりやダニになどのアレルゲン(アレルギーを起こす原因物質)や、タバコの煙や冷たい空気などの刺激物質が入ると、免疫機能が必要以上に反応し、炎症を起こします。
その結果、少しの刺激にも過敏に反応するようになります。喘息の患者さんの場合、こうしたことが常に起こっています。
このような状態のところに、アレルゲンや刺激物質が加わると、粘膜は過剰反応を示しむくんでくる、あるいは痰がたくさん出るなどの症状が表れます。こうしたことが引き金となり、気道が狭くなって、呼吸困難に陥ります。これが喘息発作です。
「治療法」
喘息の治療の中心は薬物療法です。「気道の炎症を抑える薬」と「発作を抑える薬」を併用します。
基本となるのは炎症を抑える薬です。気道粘膜の状態を整え、発作を起こしにくくするためです。主なものとしては、吸入ステロイド薬、抗アレルギー薬などがあります。
ステロイドと聞いただけで、副作用のことを考えてしまいますが、吸入ステロイド薬では、一般的に使う量はわずかですし、吸入した後で口の中に残った薬を、うがいで洗い流せば、副作用が起こることはあまりありません。
「治療上の注意点」
喘息の治療で最も重要なことは「薬を勝手にやめない」ということです。
喘息では、発作の有無にかかわらず、発作の下地となる慢性の炎症を抑えていくことが大事になります。
専門医の指示に従い、きちんとした治療を継続することで、日常生活に支障がなくなるほか、薬を使わなくてもすむようになることがあります。
また、発作時に「いつもと違う」と感じたら、躊躇なく救急外来を受診してください。
喘息の治療は、根気との戦いです。毎日の治療が症状の改善につながります。1日半歩のつもりで、少しずつ治療を進めていきましょう。
「家庭での養生法」
発作を起こさないために、以下のことに注意が必要です。
まず、風邪を予防することです。風邪をきっかけに喘息が悪化することが多いので、ストレス・過労を避け、手洗い・うがいを習慣にしましょう。
次に、アレルゲンや刺激物質の排除です。掃除を徹底し、喘息を起こしにくい環境を整えましょう。タバコは禁煙、アルコールはたしなむ程度にします。
「東洋医学的診方」
東洋医学の世界では、「肺」は呼吸の動作・その作用全てをつかさど主っています。喘息はまさしく、この「肺」が変調をきたした結果、起こると考えられます。
また、「肺」の変調の原因として、「脾」の変調が考えられます。「脾」は食物からエネルギーを取り出し、全身にめぐらせる働きがあります。「肺」は「脾」と密接に関係しているため、「脾」からのエネルギーを受けることができなければ、働きに支障が出てしまうわけです。
《注:東洋医学では、肝・心・脾・肺・腎の5つの臓器が中心となって、お互いを助け合い、または抑制しながら、生命活動とその維持をしていると考えています。》
「ツボ療法で元気になろう!」
予防のために毎日指圧しましょう。
〈経渠・けいきょ〉
場所…手首の横しわの親指側から、親指の横幅分、肘よりの所。動脈の拍動部に取ります。
効能…咳、喉の痛み。