更年期障害南大阪鍼灸所
『更年期』
更年期の「更」という字には、「変わる、改まる」という意味があります。つまり、更年期には、人生が変わり改まる「転換期」という意味があります。皆さんの聞き慣れている「更年期」という言葉で一番に頭に浮かぶ言葉は?
『更年期障害』ではないでしょうか!
「男女の更年期障害」
「更年期障害」は女性特有のものと思われてきましたが、実は男性にも、ほてりや発汗、イライラや抑うつ、疲労感など、女性の更年期と似たような症状が起こる事が知られています。これは一般に「男性更年期障害」と呼ばれています。いろいろな意見はありますが、女性の場合と同様、男性更年期障害の発症にもホルモンが大きく関与しており、主に、男性・女性ホルモンの減少によって引き起こされると考えられています。女性の場合は、50歳前後に急激に女性ホルモンの分泌が低下します。これに対し、男性の場合は男性ホルモン分泌の低下が女性に比べて穏やかであるため、これまで更年期障害はあまり重視されてきませんでした。しかし実際には、さまざまな症状に悩まされる男性が少なくありません。
また、更年期障害を引き起こす大きな原因の一つはストレスであり、それは男女に共通して、「責任感が強い・完璧主義・几帳面・競争心が旺盛・自己犠牲が強い」といった、「頑張り屋」のタイプや「いい人」タイプの人が、ストレスをためやすく、症状が出やすいと言えます。女性の場合は、更年期を迎えると、程度の差はあるものの、すべての女性が何らかの体の変調を経験します。一方、更年期障害を自覚する男性はごく一部とされています。年齢も、女性が閉経前後の45~55歳であるのに比べ、男性は40歳代~60歳代前半と幅広いのが特徴です。
「女性更年期障害」
女性ホルモンには、妊娠・分娩など生殖機能に関してだけでなく、全身の環境と整える作用があり、ホルモンバランスが崩れると、「月経不順」など「月経異常」が起こり、自律神経のバランスが乱れ、「のぼせ・発汗・冷え・無気力」など心身に多様な症状が表れ、さらには閉経後に、「骨粗鬆症」や「動脈硬化」が起こりやすくなります。
「男性更年期障害」
ストレスと男性ホルモンには密接な関係があり、過度のストレスがあると、自律神経の働きが乱れ、その影響によって男性ホルモンの分泌が抑えられ、その結果、精巣の働きが低下したり、加齢や動脈硬化などのために精巣が萎縮し、ホルモンの分泌量が減る場合もあります。
特に、男性の場合、性機能関連症状が出るため、意欲そのものが減退していきます。これはED(勃起障害)とは本来別のものですが、連動している場合が多いのも事実です。
「鍼灸治療の効果」
漢方の概念の1つに「気・血・水」があり、漢方ではこれらの3つの要素が体内を巡ることで健康が保たれていると考えます。「気」は、目には見えないけれども生体を支えている根源的な生命エネルギーを指します。「血」は赤い液体とその働き、「水」は透明な液体を指します。「気・血・水」の量が不足したり、流れが悪くなると病的な状態に陥ると考えます。
よく使われる漢方薬の処方は、男性更年期障害では「補中益気湯」「八味地黄丸」、女性更年期障害では「加味逍遙散」「桂枝茯苓丸」「当帰芍薬散」が処方されています。
ただし、十分な効果を得るためには、患者さんに適した漢方薬を服用することが重要です。そのため、漢方薬に詳しい医師や薬剤師に相談することをお勧めします。
鍼灸治療では、更年期障害の症状である、自律神経の乱れを整え、特に、冷えに対しては、お灸の効果を生かし症状をラクにしてあげたり、全身の調整を行うことで、倦怠感や全身疲労などを和らげる事ができます。
更年期障害に悩んでいる方は、鍼灸治療の際に、是非お気軽にお話ください。漢方薬と鍼灸治療の併用で、少しでも症状の改善にお役に立てればと、考えています。
「やってみよう!ツボ療法!」
《太谿・たいけい》
場所・・・内くるぶしの頂上の真後ろで、アキレス腱の少し前。指でそっと触れると動脈の拍動が感じられるところに取ります。
効果・・・動悸や冷え、のぼせ、耳鳴り、胃痛、便秘など、更年期障害の諸症状に効果があります。