尿もれ・尿失禁南大阪鍼灸所
「尿もれ(尿失禁)・・・」
自分の意志に関係なく、トイレ以外の場所で尿が出てしまうことを「尿もれ(尿失禁)」と言います。
尿もれには、さまざまなタイプがありますが、主なものは、くしゃみや運動などで、力がおなかにかかったときにもれる「腹圧性尿失禁」と、急に尿意が起きてもれる「切迫性尿失禁」です。両方を併せもつ場合は、「混合性尿失禁」と呼ばれます。
あなたはどんな時に尿もれしますか?
- ①せきやくしゃみをしたとき
- ②大笑いをしたとき
- ③走ったとき
- ④重いものを持ち上げたとき
- ⑤スポーツをしているとき
①~⑤に当てはまるものがあれば、「腹圧性尿失禁」であると考えられます。
- ⑥トイレにたどり着く直前
- ⑦トイレで下着を下している最中
- ⑧冷たい水に触れたとき
- ⑨帰宅して玄関のドアを開けたとき
⑥~⑨に当てはまるものがあれば、「切迫性尿失禁」であると考えられます。
①~⑤と⑥~⑨の両方に当てはまるものがあれば、「混合性尿失禁」であると考えられます。
「腹圧性尿失禁とは・・?」
腹圧性尿失禁は、「骨盤底筋」が緩むことで起こります。骨盤底筋は、膀胱や尿道、子宮などを下側から支えている筋肉の集まりのことです。
「尿道括約筋」という、尿道の周りにあり、尿道を閉じる働きをしている筋肉も骨盤底筋の一部です。通常は、腹圧がかかっても、それに対抗するように骨盤底筋が膀胱や尿道をしっかりと支えたり、尿道括約筋が尿道を締めることによって、尿もれは起こりません。
ところが、骨盤底筋が緩むと、膀胱や尿道の位置がずれたりグラグラして不安定になります。すると、腹圧がそのまま膀胱や尿道にかかったり、尿道括約筋が尿道をしっかり締めれなくなるため、尿がもれてしまうのです。
治療には、体操や薬による「保存療法」と「手術療法」があり、希望する場合は、泌尿器科や尿もれを扱っている婦人科などに相談してください。
「切迫性尿失禁とは・・・?」
通常、尿が多くたまると、“そろそろトイレに行ったほうがよい”という信号が脳に送られ、トイレに行くと、膀胱が収縮し尿道が開いて尿が出ます。
ところが、切迫性尿失禁の場合、実際にはそれほど多くの尿がたまっておらず、それまで尿意もなかったのに、急に強い尿意が起こって、トイレに行くのが間に合わなかったり、トイレで下着を下ろしている最中に尿が出てしまいます。また、冷たい水に触れたときや、帰宅して玄関のドアに鍵を差し込んだときなどに、条件反射的に尿意が起こり、尿もれすることもあります。あと、トイレに行く回数が多くなり、頻尿になることもあります。
切迫性尿失禁の原因は多くの場合「過活動膀胱」が関連しています。過活動膀胱とは、膀胱が過敏になり、少し尿がたまったりちょっとした刺激を受けただけで、すぐにトイレに行かないと尿がもれてしまいそうに感じる「尿意切迫感」が起こる状態のことです。
切迫性尿失禁は、いつ、どのようなときに起こるかわからないので、日常生活に支障を来たしやすいといえます。尿もれがなくても、尿意切迫感のため安心して外出できなかったり、夜中に何度も目を覚まして睡眠が妨げられることがあります。
このような場合は、治療を受ければ症状の改善が可能なので、1人で悩まず、積極的に治療を受けることが勧められます。治療には、1日の排尿や摂取した水分などを記録していく「行動療法」と「薬物療法」があり、泌尿器科や内科で相談できます。
「尿もれとQOL(生活の質)」
尿もれ自体が命に関わることはありませんが、常に「もれるのではないか」と心配したり、何事にも消極的になり、生活を楽しめなくなるなど、「QOL」を低下させがちです。諦めたり隠したりするのではなく、誰にでも起こりうることと理解して、QOLの低下を防ぐことが大切です。
鍼灸治療は、様々な病気や症状から、一人一人のQOLの向上を目指している治療です。お悩みの方は、お気軽にご相談ください!
「鍼灸治療の効果」
尿もれの症状を東洋医学的に考えると、『肝』と『腎』の病であると考えます。
『肝』は、人の思考や自律神経などを主ると言われ、ストレスなどに大きく関係しています。
『腎』は、生命エネルギーの貯蔵庫であると同時に、体内水分の排泄に関係しています。
体内水分を調節する『腎』の働きが弱っている時、『肝』の働きが強いことが多く、『肝』の働きを弱め『腎』の働きを良くすることが、一番の方法なのです。
「やってみよう!ツボ療法!」
せんねん灸で温めたり、少し強めに刺激してみてください。
《太敦・だいとん》
場所・・・足の親指で、爪の外側の付け根の角に取ります。
効果・・・夜尿症や、失禁、みぞおちの痛みに効果あり
《中衝・ちゅうしょう》
場所・・・中指の爪の付け根で、親指側の角に取ります。
効果・・・ストレスによる疲労の改善、イライラを抑え、眠気を払います。