乾燥肌南大阪鍼灸所
「皮膚の乾燥!」
健康な皮膚の表面は「皮脂膜」という〝天然のクリーム〟で覆われていて、水分の蒸発や異物の侵入を防いでいます。また、皮膚の中には、水分をため込む働きを持つ「角質細胞間脂質」や「天然保湿因子」などがあり、水分を保持しています。このような保湿機能によって、健康な皮膚はしっとりと潤いが保たれています。
ところが、加齢とともに、皮膚の新陳代謝が低下し、角質細胞間脂質や天然保湿因子などが少なくなり、皮脂腺や汗腺の機能も低下して、皮脂膜のもととなる皮脂や汗の分泌が減少してしまいます。そのため中高年になると、皮膚が乾燥しやすくなるのです。
特に冬は、空気が乾燥する上、暖房などによってさらに乾燥が進みます。また、気温が下がると新陳代謝が低下して、皮脂腺や汗腺の働きが悪くなり、暖かい季節に比べるとこれらの保湿因子も減少して、皮膚の乾燥はさらに助長されます。
「乾燥とかゆみ!」
乾燥してかゆみが起こりやすいのは、主に腕の上部から肩にかけて、すね、太もも、わき腹、腰などですが、人によってはさまざまな部位にかゆみを感じます。
乾燥した皮膚は、「皮膚の最も外側にある角層の細胞が乱れて隙間ができ、かゆみを生じさせる神経(C線維)の先端が皮膚の表面近くまで伸びてくる」ことにより、外部からの刺激を受けやすい状態です。すると、衣服がほんの少しすれるなど、わずかな刺激を受けただけでも、その刺激が神経から脳に伝えられ、かゆみを感じます。
「保湿剤の主なタイプ」
使ってみて自分に合うものを選びましょう。
●尿素入り、ヘパリン類似物質入り―両者ともに保湿作用を持つ物質で、水分を保持して、潤いを与えます。尿素には角質を柔らかくする働きもあります。
●セラミド入り―セラミドは角質細胞間脂質の代表です。角質に入り込み、不足したセラミドを補います。
●ワセリン入り―ワセリンには皮膚の表面を油脂で覆い、水分の蒸発を防ぐ働きがあります。
「保湿剤の使い方」
●保湿剤は入浴後すぐの皮膚がしっとりしている間に、かゆい部分を中心に、体全体にぬるのがいいでしょう。入浴から時間がたつと、水分が蒸発して、より乾燥してしまうので、入浴後10分以内に塗るのが効果的です。また、かゆみが治まっても、良い皮膚の状態を保つためには、保湿剤を使い続けるのがいいでしょう。
●保湿剤には油脂がベースの軟膏、軟膏よりも水分の多いクリーム、最も水分の多いローションなどがあります。使い心地で選ぶのが基本ですが、引っかき傷などのある部分にはクリームやローションは使わないようにしましょう。
●炊事の際に熱い湯や洗剤を使うと、手が乾燥して荒れやすくなります。終わったらすぐに保湿剤をこまめに塗り直しましょう。ゴム手袋を使うのもいいでしょう。
市販の保湿剤を使用したり、日常生活を注意することでかゆみが抑えられれば、それでよいのですが、保湿剤を使ってもなかなか改善しなかったり、悪化するような場合には、皮膚科を受診してください。
糖尿病、肝臓病などの病気が原因で皮膚のかゆみが起こることもあるので、長引く場合には、かゆみの原因を調べることが大切です。
「鍼灸の効果」
私達の皮膚は、東洋医学で考えると「肺」に関係します。東洋医学で言う「肺」は、全身の皮毛(皮膚・毛)を宿っています。
呼吸によって肺に入ってくる「天空の気(人体の活動の上では、陽気といいます)」は、体全体を包むように全身にいきわたり、保護します。そのため、陽気は外界(体の外)の気温や体温の変化によって、肌の伸び縮みを調節して、汗を出したり止めたりしているのです。
「やってみよう!ツボ療法!」
《中脘・ちゅうかん》
場所・・・みぞおちとおへその真ん中に取ります。
効能・・・肌のくすみ・あれ(内臓の調子を整える)、胃疾患全般、消化不良など