線維筋痛症南大阪鍼灸所
長びく全身の痛み『線維筋痛症』
線維筋痛症とは、急に始まった全身の筋肉の痛みが長期間(3ヶ月以上)続く病気です。
よく見られる例では、ある朝起き上がるのもつらいほどの全身の激しい痛みに襲われます。痛みの質は帯状疱疹後の神経痛にも似てて、身体に軽く触れたり、少し動いただけでも飛び上がるほどに痛みだともいわれています。
その後も痛みは、日によってあるいは時間帯によって、程度の差はあるものの消失することはなく続きます。痛みの強さは天候や生活環境の変化、気分、ストレスなどの影響されます。
また、このような痛みが続いているときに、普段なら何も起こらない動作でも、身体の一部に激痛が走ることがあります。例えば「蛇口をひねったとき以来肘が痛くなった」「バスが揺られて踏ん張った足の痛みが続いている」などです。
このように、身体の痛みが長期間続くために、仕事や日常生活に支障が出ることもあります。ある調査では、線維筋痛症の患者さんの約80%以上の方が、就労に制限があるとこたえています。
原因は不明!器質的異常が見つからない
痛みの原因を探るために医療機関では、「筋肉や骨の異常」「悪性腫瘍(がん)」「内分泌疾患」「関節リウマチなどの膠原病」などがないかどうかを画像検査や血液検査を行って調べます。しかし、検査の結果なんら器質的異常が見つからない場合に線維筋痛症が疑われます。
ある病院の調査ではリウマチ外来を受診した患者さんのおよそ3~4%が線維筋痛症でした。この調査では、患者さんの大多数が女性で、50歳代がピークになっています。
発症の要因は身体への負荷や心理的なもの
痛みの原因ははっきりと分かっていませんが、発症(痛みが始まった背景)には、身体的な負荷と心理的な要因があります。
身体的負荷
手術・出産・事故による外傷、過労などさまざまな身体にかかる負荷をきっかけに痛みがはじまるケースが多くあります。
心理的な要因
家庭の問題や生活上の大きなストレスといった心理的な要因で発症するケースもあります。
さまざまな合併症状
線維筋痛症では痛み以外に次のような症状を伴うことが多く見られます。
▼睡眠障害…寝返りを打つたびに体中が痛むので睡眠障害に陥りやすい。
▼月経異常…月経困難症や月経前緊張症などが起こりやすい。
▼抑うつ気分…気持ちが落ち込む、意欲、気力がわいてこない、全身倦怠感、ほてり、発汗などの症状が慢性的に起こる。
圧痛症状で診断
「全身に痛みが3ヶ月以上続く」「画像や血液検査で身体的な原因が特定できない」場合は線維筋痛症が疑われますので「ペインクリニック」「リウマチ・膠原病科」「心療内科」などを受診してください。線維筋痛症が疑われる場合はアメリカリウマチ学会の診断基準によって診断されます。痛みが生じやすいとされる全身の18ヶ所を医師が一定の力(約4㎏)で押し、そのうち11ヶ所以上で異常があれば線維筋痛症と診断します。
消炎鎮痛薬では効果があまりみられない
症状は痛みが中心ですからこれまで多くの場合は「消炎鎮痛薬」が処方されていました。しかし線維筋痛症は炎症で起こる痛みではありませんので、通常の鎮痛薬では効果があまり見られないことが多くあります。次のような薬を用いて治療します。
抗うつ薬
抗うつ薬には、痛みを直接抑制する作用があります。また、身体的症状や落ち込んだ気分を改善させるためにも抗うつ薬が使われます。
抗けいれん薬
筋肉のけいれんや収縮、それに伴う血流の低下を改善させるためにも使います。
漢方薬
ホルモン分泌などの生理的リズムを整えたり、自律神経のバランスを整える目的で使われます。
薬物療法では誰もが必ず効果が上がるとは限らず、体質に合わない場合は眠気やふらつきなどの副作用が起こることがあります。
鍼灸治療の効果
線維筋痛症の患者さんの多くは痛み以外に、睡眠障害、抑うつ気分、ほてり、発汗などの自律神経と関係している症状や腹痛、下痢といった消化器系の症状、また月経異常や全身倦怠感などが現れやすいです。特に長期化に伴い睡眠障害などの自律神経と関係している症状がより強くなる傾向があります。
南大阪鍼灸所では、線維筋痛症を単に痛みの病気とは捉えていません。痛み以外の線維筋痛症に伴う上記の諸症状をはじめ、ひとり一人患者さんの訴えに耳を傾け、それらを改善していくことが線維筋痛症を軽減していくことの近道と考えています。
ひとり一人患者さんに合ったオーダーメイド治療を行います。
線維筋痛症の患者さんの声
鍼灸治療を受けて
Aさん38歳
私は“線維筋痛症”でした。
線維筋痛症とは別名“筋肉のリウマチ”とも呼ばれ、去年病気として認定を受けたばかりであり最近知名度が上がりつつある病気です。
この病気は現在の医学の検査では異常が発見されず、また決定的な治療方法も有効な痛み止めさえもないのが現状です。症状は人によって異なる部分もありますが私の場合は24時間365日休み無く全身の筋肉が痛みます。そしてその上見た目には健康体そのものなので周囲の理解が得られない事も大きな精神的苦痛でした。
入退院を繰り返し寝たきりの時期もありました。
私の線維筋痛症としての兆候は20年以上も前からありました。10年程前から症状が悪化し全国の有名な病院を周り、最終的には寝たきりの時期もあり入退院を繰り返していた時期もありました。
この先生に賭けてみよう!
友達が「線維筋痛症には鍼灸も有効」と教えてくれました。そして近所の鍼灸院へ手当たり次第電話して南大阪鍼灸所と巡り会いました。先生とお話しをして「以前に私の様な症状を持った人を治療した事がある」と、聞き私はこの先生に賭けてみようと思いました。治療中も話しをよく聞いて下さり、どんな相談にものって頂き、そんな心使いが通院困難な体でも毎日通う気持ちにさせてくれたのだと思います。
主治医から「治りました」の一言が
春からから通い始め夏には悪化したのかと思う程の好転反応の時期を乗り越え、約一年間鍼灸治療を継続したところ、通院している病院の主治医から「あなたの線維筋痛症は治りました」と言われました。
もちろん今はとても体が楽で痛み激減しています。他の症状も徐々に減ってきています。
治療をして下さった先生たちに感謝致します。
また線維筋痛症の患者会の皆さんやその他の自助グループの方々の多大なる支えにも感謝致します。
今後も些細な病気や症状こそおろそかにせずに先生に相談しながら南大阪鍼灸所に通いたいと思います。