股関節の痛み・障害について南大阪鍼灸所
股関節の痛み
立ち上がりや歩く時、股関節・お尻・太ももに痛み・違和感があれば「変形性股関節症」かもしれません。
体の深い部分にある股関節に異常があっても、痛み・違和感・だるさは、お尻・太もも・膝などに感じるため、気がつくのが遅くなります。適切な治療をせず症状が悪化すると、日常生活に支障をきたし手術をすることもあります。
立ち上がる時や歩き始めに痛むという初期の段階で整形外科を受診しましょう。
また股関節の周りの筋肉を鍛え、体重を落とし、股関節に負担のかからないイス・ベッドを使う洋式の生活をすることも大切です。
股関節の構造
股関節は骨盤と大腿骨をつなぐ部分です。大腿骨の先の大腿骨頭は球状で、臼状の臼蓋(きゅうがい)に包みこまれるような構造になっています。
骨盤の臼蓋(きゅうがい)と大腿骨頭の先端は関節軟骨で覆われており、骨同士が直接ぶつかることなく、円滑に動くようになっています。
関節軟骨は、衝撃を吸収する役割も果たしています。また、臼蓋の縁にある「関節唇」には、関節を安定させる働きがあります。
変形性股関節症
変形性股関節症とは、クッションの役割をする関節軟骨がすり減って痛みが現れる病気です。
初期の症状は立ち上がりや歩き始めに痛み・違和感・だるさを感じます。進行すると関節の間が狭くなり骨に棘のような変形ができます。症状が進むと関節軟骨がなくなり骨と骨がぶつかり骨の変形が進みます。脚をまっすぐに伸ばせず動かしにくくなり、安静にしていても痛むので日常生活に支障をきたすようになります。
変形性股関節症の進行
初期
- ・関節軟骨がすり減り始めた状態
- ・痛みは少ない
進行期
- ・関節軟骨がさらにすり減ってすき間が狭くなる
- ・骨棘もできてくる
- ・徐々に痛みが強くなる
末期
- ・関節軟骨がほとんどなくなり、骨同士が直接ぶつかる状態
- ・骨棘がさらに進む
- ・痛みが強い
原因
●加齢・肥満
関節軟骨は加齢とともにすり減ってきます。肥満は関節軟骨に加わる負担を大きくし病気を進行させます。
●外傷
骨折などが原因になる場合があります。
●臼蓋(きゅうがい)形成不全
女性に多く見られます。骨盤にある臼蓋が十分な発達しなかったため股関節のかみあわせが浅くなり、関節軟骨がすり減りやすくなっています。
治療法
●運動療法
股関節の周りの筋肉を強化し関節を安定させ、関節軟骨のすり減りを防ぎます。
●生活習慣の改善
股関節に負担のかからないように体重を落としイスやベッドを使いましょう。
●薬物療法・手術
痛みが続けば痛み止めのお薬やシップで痛みを和らげます。日常生活に支障をきたす場合は手術をすることもあります。
鍼灸治療では
鍼灸治療は、筋肉のコリをほぐし血液の流れを良くし痛みを和らげます。痛みが和らぎ体を動かしやすい時に、運動療法に取り組めば症状が改善し日常生活もしやすくなります。
どんな病気でも症状がひどくなってしまうと、鍼灸治療をしても治りにくいものです。鍼灸治療では「病気の治療は来た道を戻るようなもの」と考えます。病気になって症状が進んだのと同じくらい治療に時間がかかります。来た道は患者さん一人でも、戻る道は鍼灸師も一緒です。
難しい病気でも、患者さんと二人三脚で精一杯、治療させていただきたいと思います。
ツボ療法で元気になろう!
環跳(かんちょう)
《取り方》横向きに寝て、下になるほうの脚を伸ばし、上になるほうの脚を曲げたときにできる股関節のしわのはし
《効能》坐骨神経痛、股関節炎